【2019年最新】水害リスクの盲点?自治体河川の浸水想定が2割未更新、命を守るハザードマップの今

私たちの暮らしに欠かせない川。しかし、その穏やかな流れの裏に隠されたリスクを、私たちは正しく把握できているでしょうか。2019年11月14日現在、都道府県が管理する主要河川の約2割において、最新の豪雨リスクを反映した浸水想定データの更新が完了していないという衝撃的な事実が明らかになりました。

そもそも「洪水浸水想定区域」とは、河川が氾濫した際に浸水が予想されるエリアやその深さを予測したものです。2001年の水防法改正により、国や都道府県にはこの区域を指定する義務が課されました。市区町村は、このデータをもとに住民が避難するために活用する「ハザードマップ」を作成する仕組みとなっています。

かつての降雨基準は「50年から150年に1度の大雨」を想定したものでした。しかし、近年の異常気象を受け、2015年には「1000年に1度の最大級の豪雨」を基準とするよう法律が強化されました。国が管理する河川ではすでに対応が完了している一方で、都道府県が管理する1643河川のうち、約23%にあたる375河川がいまだに古い基準のまま取り残されているのです。

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忍び寄る浸水の脅威と自治体の壁

2019年10月の台風19号では、埼玉県川越市や宮城県大郷町などで、まさに新基準で初めて示された場所が実際に浸水しました。SNS上でも「自分の家が想定外の場所にあったのに浸水した」「ハザードマップが古くて役に立たなかった」という悲痛な声が相次いでいます。古いデータに頼ることは、有事の際の備えを甘くし、被害を拡大させる致命的なリスクを孕んでいるといえるでしょう。

なぜ更新が遅れているのでしょうか。2019年9月24日時点の取材によれば、多くの自治体が「全河川を同時に指定するための予算確保が難しい」という財政難や、深刻な専門職員の不足を理由に挙げています。しかし、災害は自治体の都合を待ってはくれません。人命に関わるインフラ整備において、予算や人員を理由に後手に回る現状には、強い危機感を抱かざるを得ません。

東京大学の片田敏孝特任教授は、ハザードマップに避難情報を掲載する必要性を説いています。新しい想定に切り替われば、これまでの避難計画そのものを見直さなければならない地域も出てくるはずです。行政にはスピード感を持った更新を求めたいですが、私たち住民も「マップに載っていないから安心」と過信せず、常に最新情報を能動的にチェックする姿勢が、これからの時代には求められています。

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