日本のトップリーダーたちの懐事情が、いま劇的な変化を迎えています。2019年12月4日に発表された最新の調査レポートによれば、売上高1兆円を超える巨大企業の社長報酬(中央値)が、9946万円に達したことが明らかになりました。調査が開始された2014年度から5年連続のプラス成長を記録しており、わずか5年前と比較しても4割以上という驚異的な伸び率を見せているのです。
デロイトトーマツグループと三井住友信託銀行が共同で実施した今回の調査は、東証1部上場企業を含む928社もの回答を得た大規模なものです。東証1部上場企業全体の平均的な社長報酬も5862万円と、2年連続で増加の兆しを見せています。SNS上では「格差が広がる」といった懸念の声がある一方で、「グローバル競争を勝ち抜くには妥当な対価だ」と、経営の質向上を期待する意見も目立っているようです。
欧米諸国との埋まらない格差と日本企業の現在地
報酬額が増加の一途をたどる一方で、世界に目を向けると、まだ日本企業の水準は見劣りすると言わざるを得ません。2019年5月の調査データによれば、米国企業の社長報酬は15億7000万円、ドイツでも6億3000万円という桁違いの数字が並んでいます。グローバル市場で優秀な経営人材を確保するためには、現状の1億円目前という数字であっても、まだ通過点に過ぎないという見方も業界内では根強いのでしょう。
こうした背景から、いま注目を集めているのが「株式関連報酬」という仕組みです。これは現金による給与とは別に、自社の株式を報酬として付与する手法を指します。企業の利益や株価に連動して自身の取り分が変わるため、経営者と株主の利益を一致させることが可能です。実際に、この制度を導入する企業は全体の6割を超えており、2018年度からわずか1年で15.3ポイントも急増しました。
特に最近のトレンドは、一定期間の売却を制限する「譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)」への移行です。従来のストックオプションに代わり、3年から5年といった長期スパンで成果を求めるこの仕組みは、短期的な利益追求ではなく、持続可能な企業成長を促すための切り札となるでしょう。ガバナンス改革の波が押し寄せるなか、日本企業の報酬体系は、いま真の近代化へと向かっているのです。
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