【宇部興産】世界シェア5割の秘密!高級車内装を支える「PCD」増産でグローバル戦略を加速

宇部興産が、自動車の内装などに欠かせない高機能材料「ポリカーボネートジオール(PCD)」の生産体制を大幅に強化します。タイにある製造拠点の設備を増強し、2020年にはグループ全体での生産能力を現在よりも3割引き上げる計画です。SNS上でも「日本の化学メーカーの技術力が世界を支えている」といった期待の声が寄せられています。

PCDとは、ポリウレタンを作るための主原料の一種です。一般的なポリウレタンに比べて熱や摩擦に強く、長期間劣化しにくいという優れた特性を持っています。高級車のシートや高級家具の合成皮革などに採用されており、その「質感の良さ」と「耐久性」が、世界中の自動車メーカーやインテリア業界から高く評価されているのです。

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世界シェア5割超を誇る宇部興産の圧倒的な強み

驚くべきことに、宇部興産はこのPCD市場で世界シェアの5割以上を握るトップランナーです。同社はアンモニアの製造工程からPCDの原料を効率的に取り出す独自の技術を持っており、これがコスト競争力と高い品質を両立させる源泉となっています。高価だと言われていたPCDを、自社努力で普及しやすい価格帯へと導いた功績は大きいでしょう。

タイの現地法人である「ウベファインケミカルズアジア」では、生産ラインを2基体制へと倍増させる準備が進んでいます。2020年07月の稼働を目指しており、タイ拠点における年間の生産能力は現在の2倍にあたる8000トンにまで跳ね上がる見込みです。アジアの新興国で高まる「より良い暮らし」への需要を、この増産で一気に取り込みます。

環境規制の波を追い風に北米市場への挑戦

今回の増産には、環境保護への意識の高まりも関係しています。中国などでは大気汚染を防ぐため、揮発性有機化合物(VOC)の排出規制が厳格化されました。PCDを用いた水性塗料はVOCをほとんど排出しないため、環境に優しい下塗り材として需要が急拡大しているのです。まさに時代の要請に合致した、サステナブルな素材と言えるでしょう。

宇部興産は現在、日本、タイ、スペインの3拠点で世界展開していますが、次に見据えるのは巨大な北米市場です。米国工場の新設も検討しており、まだ開拓の余地がある現地市場でその機能性をアピールしていく構えです。化学事業を支える新たな収益の柱として、同社のグローバルな挑戦は今後ますます加速していくに違いありません。

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