北海道の伝統的な知恵と技術が、ついに海を越えて本格始動します。札幌市に拠点を置く「フラット合成」が、2021年を目処にロシア・サハリン州での現地生産を開始することを発表しました。1980年代から現地でふ化器を販売してきた同社ですが、今回の進出により、物流コストを大幅にカットすることで販売価格を2〜3割も引き下げるという、驚きの戦略を打ち出しています。
SNS上では「日本の水産技術が世界を救う一歩になるのでは」「道内企業が海外で勝負するのは頼もしい」といった期待の声が寄せられています。2021年からはサハリン州コルサコフ市で工場を借り、大型のふ化槽などの組み立てを行う予定です。一方で、死んだ卵を見分ける「検卵機」のような高度な精密機器は引き続き日本から輸出され、品質の要はしっかりと守り抜く体制が整えられています。
技術者育成とロシア政府の手厚いバックアップ
今回のプロジェクトの肝となるのは、単なる「モノづくり」に留まらない「ヒトづくり」にあります。現在、ロシア現地ではふ化場の水温管理や採卵を担う専門技術者が不足しており、日本式の徹底した衛生管理や丁寧な梱包技術への需要が非常に高まっているのです。そこで同社は2020年から札幌でロシア人社員への直接指導を開始し、ノウハウを惜しみなく伝授する計画を立てています。
こうした動きを後押しするのが、ロシア政府による強力な支援策です。サハリン州では2030年までにふ化場を現在の約60カ所から150カ所へ倍増させる目標を掲げており、2020年以降は新設費用を最大7割補助する制度も始まります。官民一体となったこの巨大な流れは、フラット合成にとって追い風となることは間違いありません。
地球規模の環境変化を見据えた戦略的決断
昨今の地球温暖化は、私たちの食卓にも暗い影を落としています。北海道ではホタテやイカの深刻な不漁が続いていますが、対照的にサハリン周辺では一部の漁獲量が増加傾向にあります。こうした生態系の変化を見据え、拠点を分散させることは、企業としてのリスク回避だけでなく、安定した水産資源の確保に繋がる非常に賢明な判断だといえるでしょう。
個人的な見解として、日本の「職人気質」な技術がロシアの広大なフィールドと合致すれば、サケ・マス産業に革命が起きると確信しています。また、北海道銀行らが出資する北海道総合商事が輸出を全面サポートし、円建て取引で為替リスクを抑える仕組みも非常に堅実です。2021年の稼働開始後、現地生産が軌道に乗れば、自社工場の建設も現実味を帯びてくるでしょう。
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