三菱UFJとリクルートが電撃タッグ!スマホ決済の覇権を狙う「デジタル通貨」共同出資の舞台裏と銀行の限界

メガバンクの巨人が、ついにその戦略を大きく転換させました。三菱UFJフィナンシャル・グループが、2020年にリクルートと共同で新会社を設立することを発表しました。これまでの「銀行単独」というプライドを横に置き、飲食店予約や美容サイトで圧倒的な顧客基盤を持つリクルートと手を組むことで、独自のデジタル通貨を用いたスマートフォン決済サービスへ本格参入します。

SNSでは「ついに三菱UFJも動いたか」「ホットペッパーで使えるなら便利そう」といった期待の声が上がる一方で、「既存の決済サービスに勝てるのか」という冷静な分析も見られます。今回の提携は、銀行法の制約に縛られず、変化の激しいIT業界のスピード感を取り入れるための苦渋の決断とも言えるでしょう。三菱UFJにとっては、まさに「合従連衡(がっしゅうれんこう)」、つまり勢力争いに勝つための同盟戦略そのものです。

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「ジャパンコイン」構想の壁と新会社への期待

かつて、三菱UFJの平野信行社長(当時)は、自社のデジタル通貨を「ジャパンコイン」にしたいと意気込んでいました。しかし、2017年6月に実証実験を開始して以降、実用化は何度も先延ばしにされてきた経緯があります。銀行として最も重視すべき「安全性」や本人確認の手続きが、皮肉にもユーザーの「利便性」を損なうというジレンマに陥っていたのです。

新会社は「資金移動業者」という形態をとります。これは銀行免許とは異なり、100万円以下の送金や決済に特化した事業を行うための登録制の業種です。リクルートが51%、三菱UFJが49%を出資する体制により、銀行法の厳しい制約から一歩外へ出ることで、スタートアップのような機動力のあるサービス展開が可能になるでしょう。

このサービスが開始されれば、「ホットペッパー」や「じゃらんnet」などの加盟店でQRコード決済が可能になります。アプリ内でチャージしたお金を再び現金に戻したり、個人間で送金したりできる機能も備わる予定です。ポイント還元との相乗効果も期待されており、日々の生活に密着した決済インフラを目指す姿勢が鮮明になっています。

銀行が「助手席」に座る時代へ

私個人の視点から見れば、今回の決定は銀行の「自前主義」の終焉を象徴していると感じます。低金利が続き、従来の融資業務で稼ぐことが難しくなった今、銀行にはデジタル分野を牽引する人材が圧倒的に不足しています。三菱UFJの幹部が「営業力が足りなかった」と吐露したように、IT企業と組まなければ生き残れないという危機感は相当なものでしょう。

業界を見渡せば、すでに過当競争の嵐が吹き荒れています。みずほ銀行の「Jコインペイ」は苦戦を強いられ、LINEとZホールディングスの統合により、PayPayとLINEペイという巨大な勢力も誕生しようとしています。そんな中で三菱UFJが後発として巻き返すには、リクルートが持つ膨大なユーザーデータと、銀行が誇る信頼のハイブリッドが不可欠です。

2019年12月05日、金融界の勢力図は塗り替えられました。銀行がビジネスの「運転席」を異業種に譲り、自らはノウハウを提供する「助手席」に回るという新しい形。この決断が、私たちの財布の中身をどう変えていくのか。単なる決済手段の提供に留まらない、次世代の利便性を追求したサービスが生まれることを切に願っています。

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