【清水建設】井上和幸社長が語る2020年以降の「インクルーシブな街づくり」とは?視覚障害者を導く音声ナビの革新

2019年12月05日、共生社会の実現に向けた熱い議論が交わされる中、清水建設の井上和幸社長が「パラリンピックの価値」をテーマに基調講演を行いました。同社は2019年05月に新たな長期ビジョンを発表しており、2030年に向けて「レジリエント」「インクルーシブ」「サステナブル」という3つの核心的な価値を提唱しています。これらは、災害に強く、誰も排除せず、そして未来へ持続可能な社会を築くという、現代の建設業が担うべき極めて重要な使命を象徴しているといえるでしょう。

特に注目すべきは、あらゆる人々が健康で快適に過ごせる「インクルーシブ(包摂的)な社会」の実現です。井上社長は、単に建物を建てるだけのビジネスモデルから脱却し、施設の生涯価値を高める「LCV(ライフサイクル・バリュー)」という事業展開の重要性を強調しました。SNS上でも「大手ゼネコンが心のバリアフリーに本気で取り組む姿勢は心強い」といった、企業の社会的責任に対する期待の声が多く寄せられています。

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屋内移動の壁を壊す!高精度な音声ナビゲーションの衝撃

現在、屋外での移動に関してはGPSを活用した案内システムが普及していますが、屋内のバリアフリー化には依然として高い壁が存在します。視覚障害者の方々がひとりで自由に買い物や食事を楽しむには、まだ厳しい現実があるのです。こうした課題を解決すべく、清水建設は2014年から屋内音声ナビゲーションシステムの開発に着手しました。これは、建物内に設置されたビーコン(電波発信機)とスマートフォンの位置情報を連携させ、目的地まで声でエスコートする画期的な仕組みです。

特筆すべきは、その驚異的な精度向上にあります。これまでは5メートルから10メートルほどあった誤差を、わずか1.5メートルから2メートル程度にまで縮めることに成功しました。これは視覚障害者が手にする「白杖(はくじょう)」が届く範囲とほぼ一致するため、歩行の安心感が格段に高まることは間違いありません。最新技術が人の身体感覚に寄り添う形へと進化している点に、私は建設業がテクノロジーを扱う真の意義を感じずにはいられません。

日本橋から横浜・豊洲へ!自動運転と連携する未来の街並み

このシステムはすでに社会実装の段階に入っています。2017年には三井不動産と連携し、東京の日本橋室町地区で大規模な実証実験が実施されました。現在は「コレド室町」などで実際にスマホアプリとして一般公開されており、驚くべきことに自動運転車との連携までもが視野に入っています。「お店に行きたい」と指示するだけで、車が迎えに来て目的地まで運び、下車後は音声ナビが店内の席まで案内してくれる。そんな魔法のような体験が、もう目の前まで来ているのです。

清水建設は今後、横浜のみなとみらい21地区や都内の豊洲地区での自社開発プロジェクトにおいても、このインフラを積極的に展開していく予定です。2019年には「有明体操競技場」も完成し、東京2020大会に向けた機運は最高潮に達しています。建設会社に求められる役割は、もはや「立派な建物を造る」ことだけではありません。誰もがその個性を発揮し、自由に活動できる「包摂性」を物理的な空間に宿すことこそが、真の豊かさへと繋がるのだと私は確信しています。

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