ワイン業界に今、これまでにない革新的な風が吹き抜けています。ワインの輸入販売を手がけるトゥエンティーワンコミュニティが、2019年12月05日に本格販売を開始したのは、なんと日本酒酵母を用いて発酵させたチリ産ワイン「ぎんの雫(しずく)」です。この試みは、伝統的な醸造の常識を覆す独創的な挑戦として、愛好家の間で大きな注目を集めているでしょう。
SNS上では「ワインなのに日本酒の香りがするなんて不思議!」「神の雫のファンとして見逃せない」といった期待の声が続出しています。三越日本橋本店や一部の飲食店で展開されるこの逸品は、白ブドウの王道であるソーヴィニヨン・ブランとシャルドネの2種類が用意されました。どちらも税別2980円という、手に取りやすい価格帯も魅力の一つと言えます。
「神の雫」原作者と名醸造家が紡ぐ魔法の雫
本作のクリエイティブなコンセプトを担当したのは、世界的人気を誇るワイン漫画「神の雫」の原作者である亜樹直氏です。物語を紡ぐプロが名付けた「ぎんの雫」という名前には、まさに銀細工のように繊細で美しい味わいへの願いが込められているのでしょう。さらに、醸造を指揮したのはフランス出身の名手、パスカル・マーティ氏という豪華な布陣で制作されました。
ここで注目すべきは、日本酒造りに欠かせない「7号酵母」の採用です。これは別名「真澄酵母」とも呼ばれ、華やかで落ち着いた香りを生み出すことで知られる専門的な微生物です。通常、ワイン酵母は温暖な環境を好みますが、この7号酵母はセ氏10度以下という極めて低い温度で活動する特性を持っています。この低温環境が、ワインに未踏の深みを与える鍵となりました。
通常のワイン発酵が約15日間で完了するのに対し、このプロジェクトでは40日から、長いものでは110日もの歳月をかけてじっくりと発酵させています。時間をかけて低温で醸すことで、アミノ酸などの成分が豊富に生成され、ワイン特有のキレに日本酒のような深い「旨味」が重なりました。一口含めば、ほのかに甘い吟醸香が鼻腔をくすぐるはずです。
私個人の見解としては、この「ぎんの雫」は単なる異色作ではなく、テロワールの概念に「酵母の多様性」を突きつけた意欲作だと感じます。チリの豊かな大地で育ったブドウが、日本の伝統技術である酵母と出会うことで、国境を超えた新しい芸術品へと昇華されました。和食との相性も抜群であることは間違いなく、食卓の可能性を大きく広げてくれるに違いありません。
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