ワインの世界に、これまでの常識を覆すような驚きの新星が登場しました。ワインの輸入販売を手掛けるトゥエンティーワンコミュニティが、チリの大地で育まれたブドウと日本の伝統的な「日本酒酵母」を融合させた異色のワイン「ぎんの雫(しずく)」の本格的な販売を開始したのです。2019年11月27日現在、東京都内の三越日本橋本店や高級レストランを中心に展開されており、感度の高いワイン愛好家の間で大きな話題を呼んでいます。
このプロジェクトの鍵を握るのは、世界的な醸造家として知られるフランス出身のパスカル・マーティ氏です。彼は今回、日本醸造協会が提供する「7号酵母」を採用しました。酵母とは糖分をアルコールに分解する微生物のことですが、ワイン用ではなく日本酒用の酵母をワイン造りに用いる試みは極めて珍しく、まさに国境とジャンルを越えたクリエイティブな挑戦といえるでしょう。
特筆すべきは、その独特な製法に隠されたこだわりです。通常のワイン発酵が約15日間で行われるのに対し、このワインは10度以下の低温環境で40日から110日という驚異的な時間をかけてじっくりと熟成させます。これは、日本酒造りにおける「低温長期発酵」の技術を応用したもので、急がず時間をかけることで、素材の持つポテンシャルを最大限に引き出すことに成功したのです。
日本酒の魂が宿る「吟醸香」と深い旨味のハーモニー
その味わいは、まさに唯一無二の個性を放っています。日本酒の上質な銘柄に特有の、リンゴやバナナを思わせるフルーティーで華やかな香り「吟醸香(ぎんじょうか)」が、グラスからふんわりと立ち上がります。一口含めば、低温発酵が生み出した凝縮感のある旨味が口いっぱいに広がり、これまでのチリワインとは一線を画す繊細な余韻を楽しむことができるでしょう。
ラインナップは、爽やかな酸味が魅力のソーヴィニヨン・ブランと、ふくよかなコクが楽しめるシャルドネの2種類が用意されました。2019年11月27日時点での価格は、それぞれ税別2,980円となっています。この品質で3,000円を切る価格設定は、デイリーユースから特別な日の1本まで幅広く対応できる非常に戦略的なものだと感じます。
さらに、このワインの物語を彩るのが、累計発行部数1,000万部を超える人気ワイン漫画『神の雫』の原作者・亜樹直氏によるプロデュースです。商品名やラベルデザインのコンセプトを同氏が担当しており、視覚的にも「和」と「洋」の融合が美しく表現されています。SNS上では「ジャケ買いしたくなる美しさ」「日本酒好きもワイン好きも納得の味」といった称賛の声が相次いでいます。
編集者の視点から見れば、この「ぎんの雫」は単なる変わり種ワインではありません。日本の伝統技術が世界のワイン醸造に新たなインスピレーションを与えた、文化交流の結晶とも言える存在です。和食とのペアリングはもちろんのこと、新しい味覚の冒険を求める方にとって、2019年の冬を彩る最高の1本になることは間違いないでしょう。
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