【独占】日本の空を支える「みちびき」開発秘話!三菱電機・二木康徳氏が挑む、センチメートル精度の宇宙革命

2018年11月、日本の空に新たな歴史が刻まれました。日本版GPSとして期待される準天頂衛星システム「みちびき」が本格的に運用を開始してから、約1年が経過した現在、私たちの生活は劇的な変化を迎えようとしています。この巨大プロジェクトを牽引してきたのが、三菱電機の二木康徳氏です。

「常に1機以上の衛星が日本の上空に滞在する」というこの画期的なシステムは、現在4機体制で稼働しています。SNSでは「スマホの地図がズレなくなった!」「自動運転の精度が凄すぎる」と驚きの声が広がっていますが、この安定した位置情報こそが、二木氏たちが心血を注いで作り上げた成果なのです。

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誤差わずか数センチ!未来を創る準天頂衛星の仕組み

「みちびき」の最大の特徴は、地球の自転に合わせて日本の上空を「8」の字を描くように飛ぶ「準天頂軌道」にあります。専門用語で「準天頂衛星システム」とは、特定の地域(今回は日本)の真上に長時間留まるよう設計された衛星群を指します。これにより、高層ビルや山に信号を遮られることなく、安定した電波を受け取れるようになります。

さらに驚くべきは、その圧倒的な精度です。従来のGPSでは数メートルの誤差が出ることも珍しくありませんでしたが、「みちびき」が提供する補正信号を活用すれば、わずか数センチメートル単位の正確さで位置を特定できます。これは、一寸の狂いも許されない車の自動運転技術において、まさに「命の綱」となる極めて重要な技術なのです。

「孫乞食になるな」祖父の言葉が宇宙への扉を開いた

二木氏を宇宙へ突き動かしたのは、ジャスコ創業者の一人である祖父・二木一一氏の「創業者精神を忘れず、孫乞食になるな」という厳しい教えでした。周囲がITブームに沸く中、彼はあえて「10〜20年後に勝負できる分野」として、未知の可能性を秘めた宇宙工学を専攻することを選んだのです。

1993年に三菱電機へ入社した二木氏は、データ中継衛星「こだま(DRTS)」の開発に参加しました。宇宙という環境は、真空、無重力、そして激しい温度変化が襲う過酷な世界です。一度打ち上げれば修理は不可能であり、15年以上にわたって動き続ける信頼性が求められます。地道なデータ検証の繰り返しが、彼を一流の技術者へと成長させました。

連戦連敗の苦境を乗り越え、ついに日本の空へ

かつて、世界の衛星市場は米国の独壇場でした。三菱電機の衛星バス(衛星の心臓部となる基本構造)である「DS2000」を手に海外へ挑むも、当初は連戦連敗。それでも「日本の空に日本の衛星を」という情熱は絶えませんでした。その執念が実り、ついに2005年には国内、2008年には海外からの受注を勝ち取ったのです。

2014年に「みちびき」プロジェクトのリーダーに就任した二木氏は、2カ月おきに打ち上げるという前代未聞の強行スケジュールに直面します。2016年10月には試験装置のトラブルという最大の危機に見舞われましたが、社内の結束を固めてこれを突破。15年以上の歳月を耐え抜く最高傑作を、予定通り宇宙へと送り出しました。

宇宙ビジネスのフロンティアへ!終わらない挑戦

「みちびき」は2023年度を目途に7機体制へと拡張される予定です。そうなれば、米国のGPSに依存しない自律した測位が可能になります。しかし、二木氏は現在の成功に甘んじてはいません。「さらに安く、いいものを造る」と語る彼の視線は、国のプロジェクトを超えた、無限に広がる商用衛星市場を見据えています。

個人的に、二木氏の歩みには「本物の挑戦者」の姿を感じます。流行に流されず、数十年先を見据えて困難な道を選び抜く姿勢は、スピード感が重視される現代社会においてこそ、私たちが見習うべき価値観ではないでしょうか。日本の技術が宇宙のスタンダードになる日は、そう遠くないはずです。

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