🚀**【中国EC戦争】** ネット通販の巨人「京東(JD.com)」が実店舗5000店増設!O2O戦略で家電市場の覇権を握るか

二〇一九年五月二十八日、中国のネット通販(EC)業界でアリババに次ぐ第二位の巨人、京東集団(JD.com)が、驚くべき「リアル回帰」の戦略を打ち出しました。オンラインの家電販売で圧倒的トップを走る同社が、なんと二〇一九年中に五千店もの小型実店舗(家電専売店)を増設し、総店舗数を一万五千店体制にするというのです。これは、ECの枠を超えた重大な戦略転換と言えるでしょう。

増設される店舗の多くは、フランチャイズチェーンに似た加盟店方式を採用しています。そして、その主な出店先は、これまでITの恩恵が届きにくかった農村地帯や中小都市です。大連市の郊外リポートにもあるように、インターネットの操作が得意ではない中高年層に対し、「実際に商品を見て触れる」という安心感を提供し、新たな顧客層として取り込む狙いが鮮明ですね。

京東の本気度は、この小型店戦略だけにとどまりません。二〇一九年四月には、大手家電量販店「江蘇五星電器」に約二百十億円(十二億七千万元)を投じ、四十六パーセントの株式を取得すると発表しました。これは、自社の最大の弱点であったオフライン(実店舗)でのシェアと経営ノウハウを、一気に獲得するための大胆な一手です。

この一連の動きの核心にあるのは、「O2O(Online-to-Offline)」、あるいは「OMO(Online-Merges-with-Offline)」と呼ばれる、ネットとリアルの融合戦略です。実店舗を単なる販売場所ではなく、ECサイトの「ショールーム」として機能させ、顧客に体験の場を提供します。この戦略は、当時のSNSでも「中国ECの最終戦争が始まった」「体験しないと買えない大型家電は、この形が最強」と大きな話題を呼びました。

私自身、この京東の戦略は非常に理にかなっていると分析しています。なぜなら、彼らには「データ」という最強の武器があるからです。ネット通販で蓄積した「どの地域で、どんな家電が好まれるか」という膨大な消費者データを、実店舗の商品ラインナップに反映させるのです。これは、勘と経験に頼ってきた従来の小売業をデータドリブン(データに基づいて判断・行動すること)で変革する試みです。

京東はオンライン家電シェアこそ首位(二〇一八年)でしたが、実店舗のシェアはほぼ皆無でした。一方でライバルの蘇寧(蘇寧易購集団)などは、実店舗からネット通販へと逆の道筋で勢力を伸ばしています。中国の家電市場は、オンラインとオフラインの垣根が完全に消え去り、両方を制する者が真の覇者となる、全面戦争の時代に突入したと言えるでしょう。京東の挑戦は、その号砲に他なりません。

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