テンセントが狙う独メトロ買収の衝撃!2200億円規模の再編で加速する中国小売業界の新潮流

中国のインターネット業界で圧倒的な存在感を放つ騰訊控股(テンセント)が、ドイツの流通大手メトロの中国事業に対して買収の触手を伸ばしていることが、2019年07月10日までに明らかとなりました。買収総額は最大で20億ドル、日本円にして約2200億円という巨額の案件になる見通しです。これまではゲームやSNSを収益の柱としてきた同社ですが、現在は事業の多角化を急ピッチで進めています。

今回の買収劇には、テンセントが以前から出資している大手スーパーの永輝超市も共同で参画する可能性が高いでしょう。ライバルである北京物美商業集団も買収に名乗りを上げていると報じられており、優良な拠点を巡る争奪戦は激化の一途を辿っています。SNS上では「ついにメトロまでIT大手の傘下に入るのか」といった驚きの声や、ネット企業のリアル店舗進出に対する期待と不安が入り混じった投稿が相次いでいます。

メトロは1996年、上海市に記念すべき中国第1号店をオープンさせて以来、59都市で95店舗を運営するまでに成長を遂げました。この企業の強みは「ホールセール」と呼ばれる卸売事業にあり、ホテルやレストランなどのプロ向けに高品質な食材を提供する会員制サービスで独自の地位を築いたのです。しかし、近年の中国ではスマートフォンのアプリ一つで食料品が届く「デリバリー革命」が起き、メトロの牙城は揺らぎ始めました。

IT大手が小売業に参入する背景には、オンラインとオフラインを融合させる「OMO(Online Merges with Offline)」という戦略が深く関わっています。これは、実店舗での購買データとネット上のユーザー行動を紐付けることで、より精緻なマーケティングを実現する手法です。テンセントとしては、自社の決済システム「WeChat Pay(ウィーチャットペイ)」の利用シーンを実生活のあらゆる場面に広げたい考えでしょう。

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加速する中国流通市場の再編とアリババ・蘇寧の動き

中国の流通市場における合従連衡の波は、今回のメトロに限った話ではありません。家電量販大手の蘇寧易購集団も、フランスのカルフールの中国事業を年内に買収することを公表済みです。さらに業界最大手のアリババ集団は、2017年に銀泰商業を買収するなど、ネット通販の枠を超えた巨大な経済圏を構築しています。こうした伝統的な外資系スーパーの撤退や売却は、中国独自のデジタル化が急速に進んだ証拠といえます。

編集者の視点から分析すると、今回の買収は単なる規模拡大ではなく、中国における「買い物の概念」を根本から書き換える転換点になるはずです。かつて外資系企業が持ち込んだ会員制モデルは、今やIT大手のデータ解析能力と物流網によって、さらに高度なサービスへと進化しようとしています。巨大プラットフォーマーが人々の食卓まで支配していく様子は、驚異的であると同時に、利便性の極致を追求する中国市場の逞しさを感じさせます。

2019年07月10日現在の情勢を見る限り、中国の小売業界はIT企業による「陣取り合戦」の舞台と化しているようです。消費者はより便利で安価なサービスを受けられる恩恵を享受していますが、特定のプラットフォームへの依存度が高まることへの懸念も無視できません。テンセントがこの買収を成功させ、リアルの店舗網を手に入れた先にどのような革新的な体験を提示してくれるのか、今後の進展から目が離せません。

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