認知症のなかでも最も高い割合を占めるアルツハイマー病の治療に、今まさに大きな希望の光が差し込んでいます。2019年12月05日、米国の製薬大手バイオジェンは、日本のエーザイと共同で開発を進めている新薬「アデュカヌマブ」について、驚きの最新データを発表しました。サンディエゴで開催中の国際学会にて、この薬が患者の認知機能低下を約20%も遅らせる効果を示したことが明らかになったのです。
この発表を受け、株式市場では両社への期待が爆発的に高まっています。2019年12月05日の米市場ではバイオジェンの株価が一時7%上昇し、翌2019年12月06日の東京市場でも、エーザイの株価が一時8%も急騰しました。SNS上でも「ついに根本的な治療薬が来るのか」「家族の介護に希望が見えた」といった声が相次いでおり、世界中の注目がこの一つの薬に集まっている状況です。
アミロイドベータを狙い撃つ新発想のメカニズム
アデュカヌマブが注目される最大の理由は、病気の原因そのものにアプローチする点にあります。この薬が標的とするのは、脳内に蓄積する「アミロイドベータ」というタンパク質のゴミです。これまでの「アリセプト」などの既存薬は、神経伝達物質を補うことで一時的に症状を緩和する対症療法に留まっていました。しかし、新薬は脳内のゴミを取り除くことで、病気の進行を根元から食い止める可能性を秘めています。
実はこの薬の開発には、手に汗握る劇的な逆転劇がありました。2019年03月の時点では、第三者機関によって「有効性の証明は困難」という厳しい判断が下され、治験は一度中止に追い込まれたのです。当時は開発断念のニュースが世界を駆け巡り、多くの医療関係者が肩を落としました。しかし、バイオジェンが全データを改めて詳細に解析し直したところ、高用量を投与したグループで明確な効果が確認され、今回の劇的な復活劇へと繋がったのです。
2050年には世界の認知症患者が1億5200万人に達すると予測されるなか、この薬が米食品医薬品局(FDA)に承認されれば、人類にとって歴史的な一歩となるでしょう。私は、一度は「失敗」とされたデータから真実を導き出した開発チームの執念に深く敬意を表します。単なる延命ではなく、愛する家族の記憶を少しでも長く守るための戦いが、今ここから新時代へと突入しようとしています。
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