IT業界の巨人、NTTデータが今、これまでの常識を覆す大胆な人事制度の改革を次々と打ち出しています。その中核にあるのは「ダイバーシティー(多様性)」への対応です。同社の柳圭一郎副社長によれば、一律の採用や評価ではなく、一人ひとりの個性や専門性を最大限に活かす仕組みづくりが急ピッチで進められています。
特に注目を集めているのが、2019年12月06日時点で導入されている新卒入社時期の分散化です。従来のような4月一括採用に加え、10月と1月の選択肢を設けました。これは、9月卒業が一般的な海外大学の留学生にとって、帰国後の準備期間を確保しやすくするための配慮であり、グローバルな優秀層を逃さない戦略的な一手と言えます。
高額報酬の新制度「ADP」がもたらす衝撃
さらに衝撃を与えているのが「ADP(アドバンスドプロフェッショナル)」制度の導入です。これは高度な専門性を持つ人材に対し、役員クラスの報酬を支払う仕組みです。2019年度には、オープンソースやサイバーセキュリティの分野で既に4名が選出されました。こうした「尖った才能」を適正に評価する姿勢は、SNSでも大きな反響を呼んでいます。
ネット上では「日本企業もようやく実力主義に舵を切ったか」「上司より給料が高い部下が出るのは面白い変化だ」といったポジティブな声が目立ちます。一方で、管理職側には、自分より高い報酬を得るプロをマネジメントするという新しい力量が求められるようになります。柳副社長は、自分と似た人材ばかりを率いる時代は終わったと断言しています。
人生100年時代の「学び直し」と自律的なキャリア
雇用が70歳まで伸びる現代において、若いうちに得た知識だけで一生を乗り切るのは不可能です。柳副社長は、40代をキャリアの折り返し地点と捉え、新しい技術を吸収し続ける「学び直し」の重要性を説いています。会社が提供する豊富な教育制度をどう活用し、どんな専門性を持つかは、社員自らが選択しなければならない時代なのです。
今回の改革を俯瞰すると、NTTデータが「個」を尊重する真のグローバル企業へと変貌しようとする強い意志を感じます。従来の年功序列や一括採用という「安心感」をあえて壊し、多様な才能が混ざり合う刺激的な環境を作ることは、日本のIT業界全体に好影響を与えるでしょう。自ら学び、変化を楽しめる人材こそが、これからの主役になるはずです。
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