2019年もいよいよ終盤に差し掛かり、日本中がラグビーワールドカップの興奮に包まれましたね。日本政府観光局(JNTO)が発表したデータによると、日韓情勢の影響で韓国からの訪日客が減少傾向にあるものの、ラグビー強豪国からの熱い視線がそれを補う形となっています。2019年10月には、W杯出場国からの訪問者が前年比で約8万1千人も増加するという、驚きの結果が報告されました。
SNS上では「街中で海外ファンとハイタッチした!」「パブリックビューイングの盛り上がりが凄まじい」といった投稿が相次ぎ、スポーツが持つ観光誘致の底力を誰もが肌で感じていることでしょう。2019年10月までの累計訪日客数は2691万人に達しており、前年同期を3%も上回るペースで推移しています。これは、日本という国の魅力が世界中に再認識されている証拠と言えるのではないでしょうか。
2020年東京五輪と4000万人達成への高いハードル
政府は来る2020年に、訪日客数を4000万人まで引き上げるという壮大な目標を掲げています。ラグビー以上に幅広い国々が参加するオリンピック・パラリンピックは、まさにその達成に向けた最大のブースターとなるはずです。さらに2025年の大阪万博や、2020年代半ばに予定されている統合型リゾート(IR)の開業など、日本を観光大国へと押し上げるビッグプロジェクトが目白押しとなっています。
ここで注目したいのが「IR」という言葉です。これはカジノだけでなく、国際会議場やホテル、ショッピングモールなどが一体となった複合施設を指します。政府は2030年に訪日客6000万人を目指しており、来年の五輪での評判が、その後の日本の命運を分ける試金石になることは間違いありません。私個人としては、単なる数字の積み上げではなく「また日本に来たい」と思わせる質の高い体験を提供できるかが鍵だと考えます。
観光公害「オーバーツーリズム」という深刻な課題への向き合い方
一方で、急増する観光客に対してインフラやサービスが追いつかない場面も見受けられます。特に古都・京都などでは、観光客が押し寄せすぎることで地域住民の生活に支障をきたす「観光公害(オーバーツーリズム)」が深刻な問題となっています。バスが混雑して乗れない、ゴミのポイ捨てが増えるといった現状に対し、ネット上では「観光は嬉しいけれど、生活が壊れるのは困る」という切実な声も上がっています。
多言語対応などの整備は進んでいますが、真の「おもてなし」とは、ゲストとホストである住民の両方が幸福である状態を指すはずです。増え続ける訪日客の恩恵を地域全体で享受しながら、いかにして静謐な暮らしを守り抜くか。この難問をクリアしてこそ、日本は世界に誇れる観光立国になれるでしょう。2020年の東京五輪は、私たちの知恵と優しさが試される、極めて重要な一年になりそうです。
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