港町・神戸に冬の訪れを告げる風物詩が、今年も異国情緒あふれる北野の街並みにやってきました。2019年11月20日、観光名所として知られる「うろこの家」にて、その年を象徴する出来事を反映させた恒例の「世相サンタ」がお披露目されたのです。
今年の主役として登場したサンタクロースは、なんとラグビーのユニホームを身にまとい、新しい時代の幕開けを象徴する「令和」の額縁を大切そうに抱えています。2019年といえば、日本中がラグビー・ワールドカップの熱狂に包まれた記念すべき年であり、改元という歴史的な節目でもありましたね。
高さ約3メートルにも及ぶ巨大なサンタは発泡スチロールで作られており、屋根の上から見守る姿は迫力満点です。その周囲には、囲碁界の超新星として注目を浴びる仲邑菫初段や、全英女子オープンで歴史的な快挙を成し遂げた渋野日向子選手をモデルにした人形も華やかに並んでいます。
SNS上では「ラグビーサンタが強そうで頼もしい」「渋野選手の笑顔がそっくりで癒やされる」といった投稿が相次ぎ、早くも話題を集めているようです。スポーツ界での日本勢の躍進は、私たちに多くの勇気と感動を与えてくれましたし、この展示を見ると改めて胸が熱くなります。
歓喜の裏に忍び寄る「+10%」の影と1年の振り返り
しかし、おめでたい話題ばかりではないのが「世相」の面白いところかもしれません。サンタが抱えるプレゼントの箱をよく見ると、そこには「+10%」という文字が刻まれています。これは2019年10月から実施された消費税の増税を表現しており、家計への影響をユーモラスに皮肉っているのです。
企画を担当された崎原朝香さんは、今年は日本が一つになるイベントが非常に多かったと語っており、年の瀬に向けてこの1年をじっくり振り返ってほしいと願っています。ちなみに昨年はAIロボットや猛暑をテーマにしていたそうで、その時々の空気感を反映させる職人技には脱帽してしまいます。
専門用語として登場する「世相」とは、世の中のありさまや社会の動きを意味しますが、まさにこの展示は2019年の縮図といえるでしょう。個人的には、ただ華やかなだけでなく、増税といった現実的な苦労も隠さず表現する姿勢に、メディアとしての誠実さと遊び心を感じて止みません。
この特別な「世相サンタ」の展示は、2019年12月25日のクリスマス当日まで開催される予定となっています。神戸を訪れる際は、ぜひ北野まで足を伸ばし、激動の1年に思いを馳せながら、個性豊かなサンタクロースたちとの対面を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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