日本の技術力が、ディスプレイ業界に新たな金字塔を打ち立てました。有機ELパネルの開発を手がけるJOLED(ジェイオーレッド)は、2019年11月25日、石川県能美市の事業所において世界で初めてとなる「印刷方式」の量産ラインが完成したことを力強く宣言しました。ソニーとパナソニックのDNAを受け継ぐ同社が、ついに未知の領域へと足を踏み入れたのです。
現在主流となっている「蒸着方式」は、真空状態で材料を付着させるため、中型サイズの製造においてコストや技術的な壁がありました。しかしJOLEDが採用した印刷方式は、まるでインクジェットプリンターのように有機EL材料を基板に塗り分ける画期的な技術です。これにより、これまで量産が困難だった10インチから32インチの中型パネルを、効率的かつ高品質に作り出すことが可能となりました。
SNS上では「ついに日本から世界を変える技術が動き出した」「このサイズ感の有機ELを待っていた」と、ガジェットファンや業界関係者から熱い視線が注がれています。2019年11月25日の稼働初日からサンプル試作が開始されており、現場の熱気は最高潮に達しています。2020年には月間2万枚の出荷を目指すという具体的な目標も、その自信の表れと言えるでしょう。
医療や車載を彩る「曲がる」ディスプレイの未来
完成式典に登壇した石川県の谷本正憲知事は、独自の強みを持つ「ニッチトップ」な企業の誕生を歓迎し、日本を代表する存在への成長に大きな期待を寄せました。この工場はジャパンディスプレイ(JDI)から譲り受け、2018年7月1日に開設されて以来、着々と準備が進められてきた場所です。地域の期待を背負い、能美市から世界へと最先端の光が放たれます。
生み出されるパネルの最大の特徴は、驚くほどの軽量さと薄さ、そして自在に「曲げられる」柔軟性にあります。高精細な色彩が求められる医療用モニターや、デザイン性が重視される車載ディスプレイなど、活用の幅は無限大です。私自身、この技術が普及すれば、私たちの生活空間にあるあらゆる「画面」の形状が、より自由で美しいものに進化すると確信しています。
かつてディスプレイ王国と呼ばれた日本の誇りを取り戻す一歩として、JOLEDの挑戦は非常に意義深いものです。大型テレビでもスマートフォンでもない「中型」という空白地帯を、独自の印刷技術で制圧する戦略は極めて理にかなっています。2019年11月25日という日は、日本のモノづくりが再び世界を驚かせるための、輝かしい再出発の日として記憶されるでしょう。
コメント