老朽化が進む日本のインフラ維持管理は、喫緊の課題となっています。特に橋梁(きょうりょう)、つまり「はし」の劣化検査は人手に頼る部分が多く、現場の人手不足が深刻化しているのが現状でしょう。こうした背景の中、札幌市のシステム開発企業であるダットジャパンは、革新的な遠隔監視システムの共同開発に乗り出しました。これは、橋のゆがみや沈下といった経年劣化の兆候を、安価に、そして継続的にチェックすることを可能にする画期的な取り組みといえます。
このシステムは、「IoT(アイオーティー)」と呼ばれる技術を駆使しています。IoTとは「Internet of Things」の略称で、身の回りにある様々な「モノ」がインターネットとつながり、相互に情報をやり取りする仕組みのことです。ダットジャパンは、このIoTをインフラの検査支援に応用することで、大きなビジネスチャンスを見出しました。開発は、日本の北見工業大学と、中国のスタートアップ企業である上海数久信息科技(本社:上海市)との国際的な連携によって進められています。
上海数久信息科技が持つ高度な技術を日本仕様にカスタマイズし、具体的には高精度カメラと、カメラの目標となる発光ダイオード(LED)機器をセットで橋梁に設置します。このカメラが捉えた画像を高度に解析することで、カメラから100メートルも離れた場所であっても、橋の上下左右に生じた0.1ミリメートルというごくわずかなズレ(変位)まで検知することが可能です。これほどの精度で常時監視ができれば、劣化の初期段階を迅速に把握し、大規模な事故を未然に防ぐことにつながるでしょう。
この革新的な技術の有用性を実証するため、ダットジャパンは2019年秋には北海道内で2カ所の実証実験を開始する予定です。この実験を通じて、システムの有効性や実用性を徹底的に検証し、その上で2021年春を目途に、全国の道路管理者への販売を目指しています。このシステムが広く普及すれば、老朽化インフラの検査効率が飛躍的に向上し、日本の安心・安全な社会基盤の維持に大きく貢献するのではないでしょうか。SNS上でも、「これはすごい技術革新だ!」「人命に関わるインフラの監視にAIやIoTが役立つのは心強い」といった、期待と好意的な反響が多く見受けられます。
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