ドゥテルテ政権の光と影!東南アジア競技大会で揺れるフィリピンの巨大インフラ投資と現場の混乱

2019年11月末、フィリピンを舞台に東南アジアの10カ国以上が集結する祭典「東南アジア競技大会」がついに開幕の時を迎えました。2019年12月11日までの会期中、約1万人の精鋭たちが陸上や柔道、バスケットボールなど56種もの競技で熱戦を繰り広げます。

今回の大会は、インフラ拡充を急ぐドゥテルテ政権にとって、最新のIT技術を駆使した「スマートシティ」を世界へ見せつける絶好の舞台となるはずでした。しかし、その華々しい演出の裏側で、巨額の建設費用を巡る激しい政治論争が巻き起こっており、波乱の展開を見せています。

特に注目を浴びているのが、マニラ北西部に位置する「ニュークラークシティ」に建設された、高さ50メートルにも及ぶ巨大な聖火台です。この聖火台だけで約100万ドル、日本円にして約1億円もの血税が投入されたと報じられ、国民の間でも驚きの声が広がっています。

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「無用の長物」か「未来への投資」か?問われる巨大施設の意義

野党のフランクリン・ドリロン上院議員は、2019年11月中旬に「聖火台の費用が過大だ」と批判の狼煙を上げました。同議員は、過去の五輪開催地でも施設が放置されている現状を挙げ、大会終了後にこれらの豪華な競技場が「負の遺産」になるのではないかと懸念を示しています。

対して政権側は、これらの施設は決して無駄にはならないと強気の姿勢を崩しません。基地転換開発公社(BCDA)によれば、2020年に開催される東京五輪に向けたトレーニング拠点として、欧米のチームから既に利用の打診が届いているという、明るい材料も提示されています。

しかし、SNS上では運営側の不手際に対する厳しい指摘が相次いでいます。空港で足止めされた選手や、イスラム教徒向けの「ハラール食」の不足など、ホスピタリティ面での課題が露呈しました。ハラール食とは、イスラム法で許された健全な食品を指す、宗教上欠かせない配慮のことです。

国家予算の遅れが影を落とす準備不足の真相

大会組織委員会の幹部は、準備の遅れについて「2019年度の国家予算の成立が遅延したことが原因だ」と釈明しました。開幕直前まで工事が続いていた現場の切迫した状況は、シンガポール選手団から公式な抗議文が提出されるほどの事態に発展し、国際的な信頼を損ねるリスクを孕んでいます。

個人的な見解を述べれば、インフラ整備を通じた国の成長アピールは重要ですが、選手が競技に集中できる環境作りこそが国際大会の根幹であるべきです。箱モノの豪華さだけに目を奪われ、ソフト面での準備が疎かになった点は、ドゥテルテ政権にとって大きな教訓となるでしょう。

大統領府は独自の調査を行う意向を示しており、巨額投資の透明性が今後厳しく問われることになりそうです。フィリピンがこの試練を乗り越え、スマートシティとしての真の価値を証明できるのか、2019年12月11日の閉幕までその動向から目が離せません。

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