2019年12月8日、日本のサッカー界にまた一つ、伝説的な記憶が刻まれました。J1リーグ第34節において、今シーズン限りでの現役引退を表明しているヴィッセル神戸のダビド・ビジャ選手が、リーグ最終戦という最高の舞台で自身の価値を証明するゴールを奪ったのです。この勇姿にはSNS上でも「これほど動けるのに引退なんて信じられない」「最後まで完璧なストライカーだ」といった、別れを惜しむファンの声が溢れ返っています。
試合が動いたのは、1対1の同点で迎えた後半30分のことでした。味方選手が獲得したPKのチャンス、キッカーを務めたのは背番号7のビジャ選手です。世界中が注目する重圧のなか、彼は冷静にゴールネットを揺らし、勝ち越し点を奪い去りました。得点後、ピッチ脇の特別席で見守っていた最愛の家族と熱い抱擁を交わす姿は、まさに一人の人間としての温かさと、戦士としての強さが同居した感動的な一幕だったといえるでしょう。
試合後のインタビューでビジャ選手は、自らのゴールがチームの勝利に直接結びついたことへの喜びを、深い感慨とともに語っていました。ここでいう「勝ち点3」とは、サッカーのリーグ戦において勝利したチームのみに与えられるポイントのことであり、順位を争う上で最も価値のある果実です。彼は最後まで自分自身の記録よりも、チームの成功を第一に考える真のプロフェッショナルであり続けました。
引退が惜しまれる理由は、その得点シーンだけにとどまりません。後半33分には、かつてドイツ代表として世界を制したポドルスキ選手との息の合った連係から、相手のゴール前へ鋭く侵入しました。放たれたシュートは惜しくもゴールキーパーに弾かれましたが、そのこぼれ球をポドルスキ選手が頭で押し込み、追加点を演出したのです。卓越した技術と戦術眼を持つ二人の共演は、観客をこれ以上ないほど熱狂させました。
後半38分、万雷の拍手と大歓声に包まれながら交代でピッチを後にしたビジャ選手。彼はこれまでワールドカップ優勝や数々のクラブタイトルを手にしてきた輝かしい経歴を持ちますが、まだ日本での仕事が残っています。試合後の引退式典において、彼は「天皇杯のタイトルは、サッカー選手として最後の夢だ」と力強く宣言しました。この言葉に、クラブ初タイトルへの期待を抱かないファンはいないはずです。
編集者の視点から言わせていただければ、ビジャ選手の凄みは単なる決定力ではなく、周囲に与える「勝利のメンタリティ」にあると感じます。引退を目前にしてもなお、これほど献身的に走り、決定的な仕事をする姿は、後進の選手たちにとって最高の教科書となるに違いありません。リーグ戦は幕を閉じましたが、彼が掲げる「最後の夢」が元日の新国立競技場で叶う瞬間を、私たちは見届けなければなりません。
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