サントリーの「アンクルトリス」という愛らしいキャラクターを一度は目にしたことがあるでしょう。その生みの親として知られる希代のイラストレーター、柳原良平氏の感性が凝縮された切絵作品「あめりか丸」が、現在、日経アートから特別に販売されています。柳原氏といえば、大の船好きとしても有名であり、彼の情熱が注ぎ込まれたこの作品は、船という巨大な構造物への深い愛着と洗練された造形美が同居する唯一無二の逸品と言えるでしょう。
今回の作品は、単なる平面的なイラストレーションとは一線を画しています。切絵という手法は、通常は紙を切り抜いて形を作るものですが、柳原氏は複数の色紙を巧みに重ね合わせる独自の技法を確立しました。この重なりによって、鋼鉄の船体が持つ重厚感や、海面に浮かぶ立体感が見事に再現されているのです。デジタルでは決して表現できない、紙の厚みがもたらす物理的な陰影こそが、この作品の最大の魅力と言っても過言ではありません。
特筆すべきは、ディテールへのこだわりです。船の窓などはあえて手描きで仕上げられており、そこには柳原氏の息遣いを感じるような温もりが宿っています。直線の鋭さと曲線の柔らかさが織りなす絶妙なコントラストは、見る者の心を穏やかな航海へと誘うでしょう。SNS上でも「船への愛が伝わってくる」「レトロなのに新鮮なデザイン」といった称賛の声が上がっており、世代を超えて愛され続ける彼のデザインセンスは今もなお色褪せることがありません。
世界に一つだけの贅沢を飾る
販売価格は税込み55万円となっており、額装を含めたサイズは縦62.4センチ、横77.5センチという存在感のある大きさです。切絵という性質上、全く同じものは二度と作ることができない「1点限り」の貴重な販売となっています。自宅のリビングやオフィスの応接室に飾れば、そこには2019年12月09日現在も失われない、昭和から平成、そして令和へと続く日本のモダニズムが華やかに花開くことになるでしょう。
私は、現代の効率化されたデジタルアートが溢れる中で、こうした「切り貼り」の試行錯誤が透けて見える作品にこそ、真の芸術的価値が宿ると信じています。柳原良平という巨匠が、一枚の紙にハサミを入れるたびに込めた思考の跡を辿る時間は、何物にも代えがたい贅沢です。もしあなたが、時代に流されない確かな美学を求めているのであれば、この「あめりか丸」との出会いは、人生における重要な航路の一部になるかもしれません。
作品の詳細確認やご注文、資料の請求については、日経プラザ&サービス内の日経アートにて受け付けています。電話番号は0120-81-3313で、土日祝日を除く平日の対応となります。また、ファクス(03-5577-8520)での問い合わせも可能です。繰り返しますが、世界でたった一つの作品ですので、気になる方はお早めに行動されることをお勧めいたします。この機会を逃せば、この優雅な船が再び公の場に姿を現すのはいつになるか分かりません。
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