深刻な人手不足に直面している介護業界において、救世主とも言える革新的なシステムが登場しました。静岡県沼津市に拠点を置くスタートアップ企業「iSEED(アイシード)」が開発した、スマートフォンをフル活用する次世代型ナースコールシステムが大きな注目を集めています。
このシステムは、2019年12月10日時点で既に静岡県伊豆の国市の高齢者施設で本格的な運用が開始されました。従来の設備につきまとっていた「高額な設置コスト」と「非効率な連携」という二大障壁を、最新のテクノロジーで見事に打ち破っているのが最大の特徴です。
驚きの低価格を実現した無線規格「LoRa」の正体
今回採用された「パルモスマートコール」の核となるのは、「LoRa(ローラ)」と呼ばれる無線通信規格です。これは「Long Range」の略称で、少ない電力で数キロメートルもの長距離通信ができるのが強みであり、まさにIoT(モノのインターネット)時代に最適な技術と言えるでしょう。
従来のナースコールは壁の中に複雑な配線を通す有線式が一般的でしたが、この無線技術の活用により大規模な工事が不要となりました。その結果、50床規模の施設での導入費用は約400万円と、従来の1,000万円超えという相場から3分の1以下にまで抑えられています。
SNS上でも「これなら小規模な施設でも導入を検討できる」「浮いた予算をスタッフの待遇改善に回せるのではないか」といった、コストパフォーマンスの高さを評価する声が続々と上がっています。まさに、経営面と現場の両方に光を当てる画期的な試みだと言えます。
スマホが介護記録に!スタッフの動きを最適化
機能面においても、これまでのPHS端末でのやり取りとは一線を画します。入居者が送信機を押したり離床マットを踏んだりすると、スタッフのスマホへ即座に通知が届きます。誰が対応中かというステータスも共有されるため、スタッフ同士の「二度手間」というロスを未然に防いでくれるのです。
さらに特筆すべきは、スマホ画面で「食事」や「排せつ」といった項目をタップするだけで、そのまま業務記録に反映される仕組みです。多忙な現場において、後に回しがちな事務作業をその場で完結できる点は、残業削減にも直結する極めて実用的な機能ではないでしょうか。
オプションの「パルモビジョン」を併用すれば、駆けつける前にカメラで室内の状況を確認することも可能です。緊急性の有無を瞬時に判断できるこの機能は、単なる効率化だけでなく、入居者の安全を守る「見守りの質」を格段に向上させる素晴らしいアイデアだと確信しています。
iSEEDは、2014年に東芝テック出身の井沢庄次氏によって設立された、確かな技術力を持つ企業です。2019年12月には松江市、2020年1月には東京都の施設への導入も控えており、2022年度には売上高2億円という意欲的な目標を掲げて急成長を続けています。
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