インターネットの普及により、世界中のどこからでも情報発信ができる現代において、極めて異例の事件が2019年12月10日までに明らかとなりました。広島県警は、メキシコを拠点に薬物の使用を助長するような動画や記事を公開していたとして、東京都江東区に住む自営業、岸上馨容疑者を再逮捕したのです。今回の事件が大きな注目を集めている理由は、日本の法律が届きにくいとされる海外からの投稿に対し、「国外犯規定」という強力な武器を全国で初めて適用した点にあります。
逮捕の容疑となったのは、麻薬特例法が禁じる「あおり・唆(そそのか)し」という行為です。これは薬物の使用や売買を、言葉や映像で露骨に誘いかけることを指します。容疑者は2019年6月末から2019年9月09日ごろにかけて、滞在先のメキシコから「マリフアナ喫煙体験レビュー」といったタイトルを冠した日本語のコンテンツを配信していました。こうした動画は、好奇心旺盛な若者を中心に不適切な影響を与えるリスクが非常に高く、警察当局も重く見たのでしょう。
SNSで拡散される衝撃と法執行の新たな壁
このニュースが流れると、SNS上では「海外からなら捕まらないと思っていたのか」「日本語で発信している以上、ターゲットが日本人なのは明らか」といった、厳しい批判の声が相次ぎました。ネット上では匿名性や場所の自由を盾に、過激なコンテンツで注目を集めようとする動きが後を絶ちません。しかし、今回の摘発は「たとえ物理的な場所が地球の裏側であっても、日本の法秩序を乱す行為は許されない」という、捜査機関からの強力なメッセージに他ならないでしょう。
岸上容疑者は2019年11月18日に国内サイトでの投稿容疑ですでに逮捕されていましたが、今回の再逮捕は、舞台を海外に移した活動までもが捜査対象となることを示しました。現在、容疑者は黙秘を続けていると報じられています。私個人の意見としては、表現の自由は尊重されるべきですが、それが他者の健康を損なう薬物犯罪の助長に繋がるのであれば、毅然とした態度で規制されるべきだと考えます。今後の捜査で、背後にある実態が解明されることを期待しましょう。
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