2019年12月10日の夕刻、スウェーデンのストックホルムにあるコンサートホールは、世界中から集まった人々の熱気と祝祭のムードに包まれました。旭化成の名誉フェローである吉野彰氏が、リチウムイオン電池の開発という偉大な功績により、ついにノーベル化学賞の授賞式へと臨まれたのです。
日本時間では2019年12月11日の未明にあたるこの日、吉野氏はスウェーデンのカール16世グスタフ国王の前に立ち、輝かしいメダルと賞状を授与されました。共同受賞者であるジョン・グッドイナフ教授らに続く3番目の登壇となりましたが、国王と力強い握手を交わした瞬間に見せた安堵の笑顔は、多くの日本人の心に深く刻まれたことでしょう。
式典の終了後、宿泊先のホテルへ戻った吉野氏は「ようやく受賞の実感がわいてきた」と心境を明かされました。まだ首にはかけていないものの、手にしたメダルの感触を「ずっしりと重かった」と表現し、その重みの中に自身の研究人生の歩みを感じ取っているかのようでした。満面の笑みで語るその姿からは、長年の苦労が報われたことへの純粋な喜びが伝わってきます。
世界を変えたリチウムイオン電池の可能性
吉野氏が開発に尽力した「リチウムイオン電池」とは、スマートフォンや電気自動車に欠かせない、繰り返し充電して使える革新的な蓄電池のことです。この発明がなければ、現在のモバイル社会や環境に優しいエネルギー利用は実現しなかったといっても過言ではありません。今回の受賞は、まさに人類のライフスタイルを根本から変えた技術への最大の賛辞といえるでしょう。
SNS上では「吉野さんの笑顔を見るとこちらまで幸せになる」「日本の科学技術の底力を感じた」といった感動の声が溢れかえっています。特に、厳しい研究の世界で結果を残しながらも、常に謙虚で明るい吉野氏のキャラクターに魅了されるファンが急増しており、今回のニュースは暗い話題を吹き飛ばすような、希望に満ちた輝きを放っています。
私自身、科学の進歩がこれほどまでに人々の日常と密接に関わり、未来を明るく照らすものであると再認識させられました。1500人を超える招待客からの鳴り止まない拍手は、吉野氏個人への敬意であると同時に、飽くなき探究心を忘れないすべての研究者へのエールのように感じられます。この「重いメダル」は、持続可能な未来への扉を開く鍵となるはずです。
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