【船越英一郎が語る】2時間ドラマの帝王を支えた「伝説のベスト」とブルース・ウィリスへの憧れ

「2時間ドラマの帝王」という畏れ多い称号で親しまれている俳優の船越英一郎さんが、自身の俳優人生を象徴する「戦友」について熱く語ってくださいました。2019年12月11日、船越さんは主演作が100本を超えるキャリアの中でも、特に思い入れの深い一着の衣装を紹介しています。それは1989年から放送が開始された人気シリーズ「小京都ミステリー」で、カメラマンの山本克也を演じた際に着用していたレザーベストです。

このベストは船越さん自らがアイデアを出し、キャラクター造形にこだわった逸品だそうです。機能性を重視するカメラマンという役柄から、収納力のあるポケットを多数配置しつつ、四季を通じて撮影が行われる過酷な現場に対応できるよう、背中が開いた斬新なデザインを採用しました。SNS上では「あのベスト姿こそ克ちゃん!」といった懐かしむ声や、独特な指ぬきグローブとの組み合わせに熱狂したファンの思い出が今も溢れています。

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コンプレックスを打破した米ドラマとの出会い

1980年代半ば、世の中はトレンディドラマの全盛期であり、船越さんは2時間ドラマに専念する自分にどこか引け目を感じていたといいます。しかし、その停滞感を打ち破ったのがアメリカのドラマ「こちらブルームーン探偵社」でした。ブルース・ウィリス演じる探偵が、年上の女性パートナーと丁々発止の掛け合いを繰り広げる姿に、船越さんは「自分は日本のブルース・ウィリスになればいいんだ」と大きなインスピレーションを得たのです。

ここでいう「丁々発止(ちょうちょうはっし)」とは、激しく議論を交わしたり、刀を打ち合ったりするように、勢いよくやり取りをする様子を指します。この気づきが、共演者の片平なぎささんとの息の合ったコンビネーションを生む原動力となりました。二人は夜な夜なセリフの掛け合いを練習し、作品のクオリティを高めていったそうです。こうした徹底した役作りが、視聴者の心を掴む名シーンの数々を生み出したのでしょう。

かつてはお茶の間の定番だった2時間ドラマも、現在はレギュラー放送の枠が消え、時代の変遷を感じずにはいられません。しかし、船越さんが「テレビが生んだ映画」と称するように、そこには日本の文化としての矜持が息づいています。毎日どこかで再放送され、世代を超えて愛され続ける作品群は、まさに宝物です。ボロボロになるまで共に戦ったベストは、単なる衣装ではなく、一人の俳優の誇りそのものだと言えるのではないでしょうか。

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