日本を代表する俳優、船越英一郎さんが「人生のアイドル」として公言してはばからない存在が、ハリウッドの至宝ロバート・レッドフォード氏です。船越さんは幼少期、ご両親の影響で週末の夜に放送されていたテレビ番組「土曜映画劇場」を欠かさず視聴していました。そこで運命的に出会ったのが、映画「明日に向って撃て!」に主演していた若き日のレッドフォード氏だったのです。
美しい映像美の中に悲劇的な結末を内包した強盗コンビの物語は、当時の船越少年の心を激しく揺さぶりました。周囲がアイドル歌手の写真を下敷きに挟むなか、船越さんの下敷きを飾っていたのは、往年の名女優らと共に映るレッドフォード氏の姿だったといいます。SNS上でも「船越さんのシブい演技の原点はここにあったのか」「下敷きのエピソードが可愛らしい」といった共感の声が広がっています。
アウトローから知的な正義漢まで!至高の1本「スティング」の魅力
船越さんはレッドフォード氏の関連作品をすべてコレクションするほどの熱狂的なファンですが、特にお勧めとして挙げるのが1973年公開の映画「スティング」です。本作は、信頼と裏切りが交錯する詐欺師たちの世界を軽妙に描いた名作です。レッドフォード氏は、少し粗野でありながらも、どこか憎めないアウトローを見事に演じきりました。
彼が演じるキャラクターは、単なる乱暴者ではありません。内面に宿る知性や正義感を同時に表現できる稀有な才能こそが、レッドフォード氏の真骨頂といえるでしょう。船越さんは、彼が人間のあらゆる側面を内包していると感じており、その多才な表現力に深い敬意を抱いています。まさに、複雑な人間ドラマを演じる俳優にとっての「究極の教科書」と呼べる存在なのです。
映画祭主催で見せる「クリエーター育成」への情熱と引退への敬意
2018年にレッドフォード氏が俳優引退を表明した際、最後に選んだ作品が銀行強盗を演じる「さらば愛しきアウトロー」であったことに、船越さんは彼らしい美学を感じ取っています。容姿端麗な二枚目スターでありながら、老いを隠すことなくスクリーンに晒すその潔さこそ、真の格好良さではないでしょうか。
また、レッドフォード氏は独立系映画の祭典「サンダンス映画祭」を長年主宰し、若手監督の育成にも尽力してきました。船越さんもその精神に賛同し、「山形国際ムービーフェスティバル」の審査委員を務めるなど、映画界の未来を支える活動に情熱を注いでいます。編集者である私自身も、過去の栄光に縋らず、次世代に道を切り拓く彼の生き方には、エンターテインメントに携わる者として強い感銘を受けます。
船越さんは、レッドフォード氏を目標にするのではなく、あくまで一人のファンとして永遠についていくと語ります。2019年12月10日現在、俳優として円熟味を増す船越さんの活動の根底には、今も変わらず銀幕のアイドルの輝きが息づいているのでしょう。憧れの存在を持ち続けることが、表現者として走り続けるための最大のエネルギー源になるのだと教えられるエピソードです。
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