静岡県が発表した最新の労働組合基礎調査によって、地域の労働環境における興味深い地殻変動が明らかになりました。2019年6月30日時点でのデータによると、県内の労働組合数は1223組合となっており、前年に比べて7つ減少しています。これでなんと8年連続の減少となっており、組織の枠組み自体は縮小傾向にあることが伺えるでしょう。ネット上でも「時代の流れを感じる」「個人の働き方が多様化したからでは」といった、組織離れを指摘する声が上がっています。
しかし、ここで注目すべきは全体の組合員数が28万4755人に達し、前年比で3%も増加している点です。組織の数自体は減っているものの、そこに所属する労働者の数はむしろ増えているという逆転現象が起きています。この動向に対してSNSでは、「労働環境を守るために連帯する重要性が再認識されているのでは」という前向きな意見も散見されました。一見すると矛盾するようなこの現象の背景には、一体どのような変化が隠されているのでしょうか。
その牽引役となったのが、私たちの生活に身近な卸売業や小売業の分野です。この産業における組合員数は2万9056人へと膨れ上がり、前年に比べて28%という驚異的な伸び率を記録しました。こうした業界では、これまで組織化が進みにくかった背景があります。そのため、今回の急増は現場の労働者が権利を守るために声を上げ始めた、象徴的な動きと言えるのではないでしょうか。変化を求める切実な願いが、数字となって表れた形です。
さらに特筆すべきは、女性が中心となっている「非正規職」の組合員が着実に存在感を増している点でしょう。全体に占める彼らの割合は0.7ポイント上昇し、6.1%にまで達しました。非正規職とは、パートやアルバイト、契約社員など、正社員以外の雇用形態で働く人々の総称です。雇用が不安定になりがちな彼らが組合に参加することは、待遇改善への大きな一歩となります。格差是正に向けた非常にポジティブな兆候として、私は強く支持したいと考えます。
企業規模別のデータを見ると、従業員300人以上の大企業では組合数が4つ増えて596組合となった一方、299人以下の中小企業では8つ減って408組合となりました。この二極化からは、大企業ほど組織基盤が安定している現状が浮き彫りになっています。産業別では製造業が453組合、13万8845人で依然としてトップを走っていますが、今後は中小企業や非製造業での組織維持、および拡大が、地域経済の健全な発展に向けた大きな課題になるはずです。
主要な労働団体に目を向けると、日本労働組合総連合会静岡県連合会、いわゆる連合静岡が20万643人を擁して最大の勢力を誇っています。また、静岡県労働組合評議会である静岡県評も1万5407人の労働者を支えており、それぞれの組織が果たす役割は依然として小さくありません。時代とともに働き方が激変する今だからこそ、労働組合はすべての働く人が安心して能力を発揮できる社会を実現するために、より一層の柔軟なサポートを展開していくべきです。
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