米中貿易摩擦という不透明な霧が立ち込める中、世界の投資家たちが熱い視線を送っているのは「景気の底入れ」という反転の瞬間です。2019年12月11日現在、その復活劇でトップバッターを飾るのは日本株ではないかという期待が急速に高まっています。その象徴とも言えるのが、前日に17年ぶりの高値を記録したソニーの躍進でしょう。
かつての「円安頼み」から脱却し、自らの足で稼ぐ構造へと進化した日本企業の潜在力が、今まさに試されています。2019年12月10日の日経平均株価は、米国の対中関税発動を控えて小幅な下落となりましたが、取引中にはプラス圏に浮上する場面もありました。この底堅い動きこそが、今の日本市場が持つ「意外な強さ」を物語っているのではないでしょうか。
コスト抑制が生んだ「筋肉質な企業体質」とソニーの躍進
特に注目すべきはソニーの株価推移です。一時、前日比2%高の7268円まで値を上げ、市場関係者からは「ニッポン株式会社」を代表する存在として、海外投資家の意欲を象徴しているとの声が上がっています。SNS上でも「ソニーの復活は本物だ」「構造改革の成果が出ている」といった、企業の変革をポジティブに捉える書き込みが目立っています。
なぜ今、日本企業がこれほど評価されているのでしょうか。その鍵は、財務省の統計から導き出される「損益分岐点比率」の低下にあります。損益分岐点比率とは、売上高がどれくらい減っても赤字にならないかを示す指標のことです。2019年7月から9月期の製造業におけるこの比率は70%弱にまで改善しており、20年前と比較して20ポイントも低下しました。
これは、各企業が地道なコスト削減や生産効率の向上を積み重ね、少ない売上でも利益を出せる「筋肉質な体質」を作り上げた証拠です。海外での現地生産が進んだことで、為替が円高に振れても業績が揺らぎにくい構造へと進化しました。実際に2019年中盤以降、日経平均と円相場の連動性は薄れ、外部ショックに対する耐性が目に見えて強まっています。
世界景気の反転が追い風!2020年に向けた強気シナリオ
さらに、マクロ経済のデータも追い風となっています。経済協力開発機構(OECD)が2019年12月9日に発表した景気先行指数は、約2年ぶりに前月を上回りました。この指数は半年後の景気を映し出す鏡のようなもので、世界景気がいよいよ底を打つ兆しを見せています。外需が回復すれば、コスト競争力を高めた日本企業の利益は爆発的に伸びるでしょう。
こうした背景から、海外の証券会社も日本株への評価を改めています。今後5年間の期待収益率を米国株以上に設定する動きや、2020年度の主要企業の業績が1割近い増益になると予測する専門家も現れました。日経平均株価が2万5300円程度まで上昇する余地があるという強気な見通しは、決して夢物語ではなく、確かな数字に裏打ちされたものです。
私自身の見解としても、現在の日本市場は「静かなる変革」の真っ只中にいると感じます。派手な熱狂こそまだありませんが、外国人投資家が2019年11月以降に買い越しへ転じた事実は、彼らが日本企業の「真の実力」に気づき始めたサインでしょう。自律的な株高へと進めるかどうか、日本市場は今、かつてない重要な局面を迎えていると言えます。
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