中国が世界に誇る大動脈、北京と上海を繋ぐ高速鉄道を運営する「京滬高速鉄路」が、いよいよ株式市場への第一歩を踏み出します。関係者の予測によれば、2020年1月から3月の間に上海証券取引所へ上場する見通しで、その資金調達額はなんと350億元、日本円にして約5400億円という巨額な規模に達する見込みです。
2018年12月31日時点の純利益が102億元という驚異的な収益力を背景に、市場ではその一株あたりの価値にも熱い視線が注がれています。足元の業績があまりに好調であるため、より多くの資金を呼び込もうと、上場時期を戦略的に調整する可能性すら囁かれているほどです。SNS上でも「ついにあのドル箱路線が上場か」「投資価値は高そう」といった期待の声が広がっています。
ビジネスマンを虜にする「地上を飛ぶ翼」の圧倒的な実力
この路線の最大の武器は、全長約1300キロメートルをわずか4時間半ほどで駆け抜ける圧倒的なスピードと正確性でしょう。2019年1月1日から2019年9月30日までの期間だけで、総利用者数は1億6000万人を突破しました。空の便と比較しても遅延のリスクが極めて低いため、多忙を極めるビジネスマンにとって、いまや欠かせない移動手段として君臨しています。
広大な中国全土に張り巡らされた鉄道網の中で、安定して黒字を叩き出している路線は実は10にも満たないと言われています。その筆頭格である京滬高速鉄路は、まさに中国鉄道界の優等生といえる存在です。しかし、今回のIPO(新規公開株)で集められた多額の資金使途を巡っては、投資家の間で少し複雑な議論が巻き起こっているようです。
巨額資金の行先は赤字路線の支援?問われる投資の妥当性
今回の調達資金の多くは、安徽省を基盤とする「京福安徽公司」の株式取得に充てられる計画となっています。ここで注目すべきは、買収先が赤字経営を続けているという点です。500億元を投じて株式の65%を取得するこの動きは、政府が主導する景気対策の一環としての鉄道網整備を、民間の資金で支える側面が強いと考えられます。
専門的な用語で言えば、PER(株価収益率)という「株価が利益の何倍まで買われているか」を示す指標が、今後の投資判断の鍵を握るでしょう。優良企業が赤字会社を支える構図に対し、ネット上では「株主還元が疎かになるのでは」という懸念も見受けられます。私個人としては、国家戦略としての安定性は魅力ですが、収益性の検証は冷静に行うべきだと感じます。
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