【ヨコオ】半導体検査の要「プローブ」を4割増産へ!5G時代を見据えたマレーシア工場の戦略的投資

自動車アンテナの分野で世界的に知られるヨコオが、次なる成長の柱として半導体検査器具の増産に舵を切りました。2019年12月12日、同社は主力製品の一つである検査用器具の生産能力を、現行から4割引き上げて年間700万個体制にすることを明らかにしています。この大胆な戦略は、米国や台湾の有力メーカーからの需要増に応えるもので、製造の要となるマレーシア工場へ2020年中に最新設備を投入する計画です。

今回の増産対象となるのは「プローブ」と呼ばれる非常に繊細な針状の部品です。これは半導体が設計通りに動くかを確かめる通電検査において、電気を流すための「接点」として機能します。髪の毛ほどの細さでありながら、精密な電子回路の品質を左右する極めて重要な役割を担っています。SNS上でも「地味ながらハイテク産業を支える縁の下の力持ちだ」と、同社の技術力の高さに注目する声が上がっているようです。

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5G需要を追い風に、投資計画を1年前倒しで実施

ヨコオがここまで強気の攻勢をかける背景には、世界的なデジタルデバイスの普及があります。特にパソコンの頭脳にあたるCPU(中央演算処理装置)の需要が堅調であることに加え、これから本格的な普及期を迎える次世代通信規格「5G」の存在が欠かせません。高度な処理能力を求められる5G用チップには、より精密な検査が不可欠となるため、同社の高性能なプローブに対する引き合いが急速に強まっているのでしょう。

驚くべきは、その意思決定の速さです。同社はもともと、マレーシア工場への設備導入を2022年3月期に予定していましたが、市場の熱気を感じ取り、計画を丸1年前倒しすることを決断しました。現場の熱量が伝わってくるようなスピード感からは、車載アンテナ事業に続く「第二の収益の柱」を早期に確立させたいという、経営陣の並々ならぬ決意が読み取れます。

編集者の視点から見ても、今回の投資は非常に理にかなった一手だと言えます。自動車のCASE化が進み、車両一台あたりの半導体搭載数が増え続けるなか、検査器具の需要が後退するリスクは極めて低いでしょう。既存のアンテナ技術で培った微細加工技術を、成長著しい半導体市場へ転用するこの戦略は、まさに日本のものづくり企業が歩むべき理想的な多角化の形ではないでしょうか。

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