2019年12月12日現在、大阪の街はかつてない激変の波にさらされています。急増するインバウンド需要に加え、2025年に開催を控えた大阪・関西万博や統合型リゾート(IR)への期待感が追い風となっているからです。かつては「負の遺産」とも揶揄された空き地が次々と姿を消し、1970年の万博以降、長らく停滞していた都市開発がついに再始動しました。大阪が真の再起を果たせるのか、運命の5年間がいよいよ幕を開けます。
SNS上では「ついに大阪が変わる!」「梅田の北側がどう化けるのか楽しみ」といった期待の声が溢れています。今回の再開発の目玉は、JR大阪駅北側の広大なエリア「うめきた2期」です。ここは万博開幕に向けた最大規模のプロジェクトであり、街の景観を根底から塗り替えるポテンシャルを秘めています。現在はホテルの運営会社選定が大詰めを迎えており、国内外から熱い視線が注がれている真っ最中なのです。
世界の高級ホテルが集結!海外企業を呼び込む南街区の戦略
注目のホテル計画では、北街区に阪急阪神ホテルズやオリックス系が名を連ねる一方、巨大オフィスを擁する南街区には米ヒルトングループなどの進出が噂されています。開発を牽引する三菱地所の岩田研一執行役専務は、アジアの拠点を活用して海外企業を誘致する意欲を見せています。ここで言う「テナント」とは、ビルなどの一区画を借りて入居する企業や店舗のことで、グローバル企業の誘致が大阪の国際競争力を高める鍵となるでしょう。
しかし、この壮大な計画の前には物理的な障壁も立ちはだかっています。建設予定地には、JR東海道線支線の地下化工事で発生した膨大な「残土(ざんど)」、つまり掘り返された土が山積みになっているのです。JR西日本は2022年3月31日までに撤去する方針ですが、その後の建設期間を考えるとスケジュールは極めてタイトです。万博に間に合うかどうか、オリックス不動産の高橋豊典社長も「時間との闘い」であると強い危機感を募らせています。
イノベーションの聖地へ!「大阪版シリコンバレー」が抱える難問
北街区に建設されるビルには、次世代の成長産業を育てる「イノベーション」の拠点としての役割が期待されています。吉村洋文府知事が掲げるのは、IT企業が集まる米国の聖地になぞらえた「大阪版シリコンバレー」の構築です。ここで重要な役割を担うのが「総合コーディネート機関」です。これは複数の組織をまとめ上げ、調整や評価を行う専門組織を指しますが、世界を惹きつける具体的なアイデアはまだ模索段階にあります。
さらに、2期地区を南北に貫く幹線道路を広場として活用する「ステッププラザ」構想も注目を集めています。道路の段差をなくし、公園と一体化させるという前例のない試みですが、安全性を重視する警察当局との調整が必須となるでしょう。可動式のガードレール導入など、技術的な工夫も求められています。数々の難問を抱えつつも、2020年秋の着工に向けてプロジェクトは着実に、そして力強く動き出しています。
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