豊田通商グループの電子部品商社として知られるネクスティエレクトロニクスが、インドのモビリティ市場に新たな風を吹き込みます。同社は2019年11月25日、インドのニューデリーにモーター制御部品の開発・評価を専門に行う「テクノロジーセンター」を開設したことを発表しました。この動きは、急速に高まる現地の電動化ニーズに応えるための戦略的な一手といえるでしょう。
今回の拠点の主なターゲットは、二輪車や三輪車の電動化を自社で完結させたいと考えているインドの現地企業です。インドでは都市部の排ガス問題が深刻化しており、政府を挙げて環境負荷の低い車両への転換が急がれています。SNS上でも「インドの街並みがEVで変わるかもしれない」「日本企業の技術支援は心強い」といった、現地の変化を期待する声が数多く上がっています。
今回設立されたセンターでは、モーターを動かすための「ハードウェア」と、それを制御する頭脳にあたる「ソフトウェア」の両面から設計・開発をサポートします。さらには、コンピュータ上でのシミュレーションや、過酷な環境を想定した耐熱試験といった性能評価まで、一気通貫で支援する体制が整えられました。専門的な設備を惜しみなく投入している点に、同社の本気度が伺えます。
メーク・イン・インディア政策と日本企業の勝機
インドのモディ政権は、自国の製造業を活性化させる「メーク・イン・インディア」というスローガンを掲げています。これは、外資に頼るだけでなく、インド国内で製品を作り上げる力を養おうとする強力な産業振興策です。ネクスティエレクトロニクスは、単に部品を売るだけでなく「技術そのもの」を提供することで、この国策に合致したビジネスチャンスを掴もうとしています。
私は、この「技術支援」というアプローチこそが、今後のグローバル展開において極めて重要になると考えています。現地の製造能力を底上げするパートナーとしての地位を築くことは、長期的な信頼関係を生むからです。当初は数人の技術者でスタートしますが、2024年頃には20人規模まで増員する計画となっており、現地のエンジニア採用や育成にも寄与することが期待されます。
「モーター制御」とは、電池の電力を効率よく回転エネルギーに変えるための複雑な計算処理を指します。この技術はEVの航続距離や乗り心地を左右する要です。高度なノウハウを持つ日本企業がインドの地場企業と手を取り合うことで、安価で高性能な電動車が次々と誕生する未来は、そう遠くないはずです。インド市場の劇的な変化から、今後も目が離せません。
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