2019年12月02日、東京の冬の風物詩ともいえる「木枯らし1号」が、昨年に引き続き観測されなかったことが気象庁より発表されました。1951年の統計開始以来、これまで発生しなかった事例は5回記録されていますが、2年連続でこの強い北風が吹かないのは史上初めての事態です。都心の冬を象徴する厳しい冷え込みの合図が届かないまま、暦の上では12月を迎えることとなりました。
「木枯らし1号」とは、10月中旬から11月末日までの期間に、西高東低の冬型の気圧配置によって初めて吹く、風速8メートル以上の北よりの強風を指します。SNS上では「まだ秋が続いている感覚だったけれど、データで見ても異例だったのか」といった驚きの声や、「マフラーの出番が遅れている理由がわかった」という納得の反応が数多く見受けられます。
今回、冬の使者が姿を見せなかった背景には、地球規模の空気の流れが関係しているようです。気象庁の分析によれば、日本付近で冬型の気圧配置が十分に強まらなかったことが大きな要因とされています。これは、日本の上空を流れる強い偏西風が通常よりも北寄りのルートを通ったことで、大陸からの冷たい空気が南下しにくい状況が続いたためでしょう。
専門的な用語で語られる「西高東低」とは、日本の西側に高気圧、東側に低気圧が配置される状態を指し、この圧力差が激しいほど強い北風が吹き抜けます。しかし、今年は寒気を運ぶベルトコンベアのような役割を果たす偏西風が北へ蛇行してしまいました。その結果、都心では本来の「冬らしい厳しさ」を感じる強風が吹く条件が整わなかったのだと考えられます。
私個人の見解としては、こうした気象データの変化は、単なる季節のズレ以上のメッセージを私たちに投げかけているように感じます。2年連続の未観測という記録は、日本の四季のサイクルが少しずつ変容している兆しなのかもしれません。冷たい風に身を縮める瞬間が減るのは過ごしやすい半面、季節の節目が曖昧になることへの寂しさや、生態系への影響も懸念されます。
2019年11月30日という期限を過ぎたことで、今年の東京における木枯らし1号の認定は完全に見送られる形となりました。冬の到来を告げる合図は聞けませんでしたが、これから本格的な寒さがやってくることに変わりはありません。データ上の記録に左右されず、急な気温の変化に備えて体調管理を徹底し、冬支度を進めていくことが大切になるでしょう。
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