東京都世田谷区が、認知症を抱える方々が安心して暮らせる社会を目指し、画期的な一歩を踏み出します。保坂展人区長は2019年12月12日、認知症施策の推進を柱とした新たな条例案を、2020年秋の区議会へ提出する意向を表明されました。この条例が成立すれば、東日本の自治体では初となる先駆的な取り組みになる見通しです。
SNS上では「家族が認知症なので、こうした理念が明文化されるのは心強い」「全国に広がってほしい」といった期待の声が数多く上がっています。この条例は、単なるルール作りではありません。認知症の方の「希望」や「権利」がしっかりと守られる地域づくりを、街全体の共通理念として掲げるという、非常に温かく力強いメッセージが込められているのです。
当事者の声が形になる、新しい福祉のあり方
条例案の策定において特筆すべき点は、認知症の患者ご本人やそのご家族から直接意見を聴取し、内容に反映させる方針を打ち出していることです。専門家だけで決めるのではなく、現場のリアルな悩みや要望を汲み取ろうとする姿勢に、私は深い共感を覚えます。当事者が置き去りにされない「共生社会」の実現には、こうしたボトムアップの対話が不可欠でしょう。
ここで言う「認知症」とは、脳の病気や障害によって認知機能が低下し、日常生活に支障が出ている状態を指す一般的な名称です。誰にでも起こりうる変化だからこそ、特別なこととして遠ざけるのではなく、地域全体で受け止める仕組みが必要とされています。世田谷区では現在、支援を必要とする方が約2万3000人もいらっしゃり、今後もその数は増え続けると予想されます。
2020年4月、梅ヶ丘駅近くに待望のサポート拠点がオープン
条例の施行(2020年10月予定)に先駆けて、2020年4月には小田急電鉄梅ヶ丘駅の周辺に、在宅生活を支えるための拠点が開設される予定です。これは認知症の方々が住み慣れた自宅で自分らしく暮らし続けるための大きな助けとなるでしょう。行政が具体的な「場所」を提供することで、孤立を防ぎ、相談しやすい環境が整うことは大きな前進と言えます。
「認知症の方を排除せず、差別もしない社会を世田谷から創りたい」と語る区長の言葉には、強い決意が感じられます。私は、この世田谷区の挑戦が、日本の福祉のあり方をアップデートする試金石になると確信しています。誰もが老いに不安を感じることなく、笑顔で歩める街が実現する日は、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。
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