米中合意で銅市況が急回復!住友金属鉱山が一時5%高を記録した背景と今後の展望

2019年12月13日の東京株式市場において、非鉄金属大手の住友金属鉱山が目覚ましい躍進を見せました。株価は前日に比べて一時174円、率にして5%も上昇し、3666円という約1カ月ぶりの高値を付けています。この急騰を後押ししたのは、長く続いていた米中貿易交渉が一部合意に達するという明るいニュースでした。

世界最大の資源消費国である中国の景気が、関税緩和によって持ち直すとの期待が市場を駆け抜けています。SNS上でも「景気の先行指標である銅が動いた」「非鉄セクターの勢いがすごい」といった投資家たちの驚きや喜びの声が目立ちました。実際にこの日の東証業種別株価指数では、非鉄金属が全33業種の中で値上がり率トップを独走しています。

終値も前日比168円高の3660円と高値圏を維持しており、注目すべきは売買代金が前日の2倍にまで膨れ上がった点でしょう。機関投資家をはじめとする多くのプレーヤーが、今回の合意を機に資金を投入したことが伺えます。米国の対中制裁関税が緩和される見通しとなったことで、中国国内の生産活動が再び活発化するとの連想が働いたのです。

スポンサーリンク

銅市況の回復がもたらす業績改善への期待感

住友金属鉱山が主力とする「銅」は、電気配線や電子部品などに欠かせない素材であり、その価格は世界景気のバロメーターとも呼ばれます。ロンドン金属取引所(LME)では、3カ月先の銅の取引価格が1トンあたり6100ドル台まで上昇しました。これは約7カ月ぶりの高水準であり、非鉄業界全体にとって強力な追い風となるでしょう。

ここで専門用語の「在庫評価損益」について解説しましょう。企業が保有している原材料の価値が、購入時よりも市場で値上がりした際に発生する利益のことです。住友金属鉱山は2020年3月期の業績予想にて、銅価格を1トンあたり5828ドルと想定していました。現在の市況がこの想定を上回れば、含み益が増え、最終的な利益を大きく押し上げる要因となります。

また、同社が世界各地に出資している銅鉱山からの収益も、価格上昇によってダイレクトに改善するはずです。編集者としての私の視点では、今回の株価上昇は単なる思惑買いに留まらず、企業の稼ぐ力が本質的に強化されるという、裏付けのある反応だと評価しています。ただし、米中の対立は構造的な覇権争いという側面もあり、楽観視しすぎるのは禁物でしょう。

市場関係者からは「本格的な上昇には実需の回復が不可欠」との冷静な指摘も出ています。関税問題が落ち着いたとしても、実際に中国などの工場で銅が使われる「実需」が伴わなければ、価格の維持は難しいからです。今後は政治的なニュースに一喜一憂するだけでなく、実体経済のデータを見極める慎重な姿勢が、賢明な投資家には求められるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました