日本のEC界を牽引する楽天グループが、今まさに大きな岐路に立たされています。2019年12月05日、同社が発表した財務状況によりますと、投資先であるアメリカのライドシェア大手「リフト」の株価低迷を受け、1000億円を超える規模の「減損損失」を計上することが明らかになりました。
減損損失とは、投資した資産の価値が著しく下落し、回復の見込みが立たない場合に、その目減り分を損失として帳簿に書き込む作業を指します。この巨額のマイナスは、好調を維持している金融セグメントの収益をもってしても補いきれず、最終的な利益を大きく押し下げる要因となっているようです。
携帯キャリア事業への先行投資と市場の期待
さらに注目すべきは、第4のキャリアとして挑む携帯電話事業への投資フェーズです。2020年春に予定されている本格的なサービス開始を目前に控え、自社回線エリアを広げるための基地局建設費用や、ユーザー獲得に向けたマーケティングコストが膨れ上がっています。
SNS上では「楽天モバイルの参入で通信費が下がるのは嬉しいけれど、赤字幅を見ると少し不安」といった声や、「ポイント経済圏の強みを活かして巻き返してほしい」という期待混じりの投稿が目立ちます。投資家だけでなく、一般ユーザーからもその動向に熱い視線が注がれていることが伺えるでしょう。
本業の電子商取引(EC)分野においては、市場そのものが拡大しているものの、物流網の強化に向けた積極的な投資を継続しています。競争が激化する中で優位性を保つための攻めの姿勢は評価できますが、当面は「増収減益」という、売上は伸びても利益は削られる厳しい局面が続く見通しです。
編集者としての見解ですが、この大幅な減益は、楽天が単なるネット通販企業から「通信と物流のインフラ企業」へと脱皮するための産みの苦しみではないでしょうか。短期的な数字に一喜一憂せず、2020年以降に彼らが描く壮大なプラットフォーム構想が結実するかどうかが、真の勝負どころだと言えます。
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