ファミリーレストランの最大手である「すかいらーくホールディングス」が、2019年12月05日現在、大きな転換期を迎えています。消費税率の引き上げや健康志向の高まりを受けた全店禁煙化といった施策により、既存店舗の客足が遠のくという厳しい局面に立たされているのです。利益が3期連続で減少するというニュースは、業界内でも大きな波紋を呼んでいます。
特に注目すべきは、客数の減少を補うために打ち出された戦略的な期間限定メニューの存在でしょう。こうした付加価値の高い商品が功を奏し、一人あたりが支払う「客単価」は上昇傾向にあります。売上高そのものは増加していますが、深刻な人手不足に伴う人件費の高騰を完全に吸収しきれていないのが、経営面での切実な課題となっているようです。
SNS上では「家族でファミレスに行きやすくなった」と禁煙化を歓迎する声がある一方で、「増税で外食を控えるようになった」というシビアな意見も散見されます。しかし、同社はこうしたネット上の声を巧みに取り入れたマーケティングを展開し始めました。SNSを駆使した集客活動が徐々に実を結び、増税による客離れに歯止めがかかる兆しが見えています。
成長を支える「しゃぶしゃぶ」とデジタル戦略の融合
今後の成長エンジンとして期待されているのが、人気業態であるしゃぶしゃぶ専門店の積極的な新規出店です。幅広い世代から支持される食べ放題形式などは、既存のファミリーレストランとは異なる客層を呼び込んでいます。こうした店舗数の拡大と、SNSを基軸とした販促活動が相乗効果を生み、既存店の売上を力強く押し上げる見通しです。
ここで言う「既存店売上高」とは、オープンから一定期間が経過した店舗の売上を指し、企業の基礎体力を測る重要な指標となります。人件費の上昇という重圧は依然として残りますが、それを上回る販売力の強化によって、次期は増益へと転じるシナリオが現実味を帯びてきました。効率的な店舗運営と顧客満足の両立が、V字回復の鍵を握るでしょう。
編集者の視点から言えば、この逆境こそが企業の真価を問う試金石だと感じます。単なる値上げではなく、SNSでのバズ(爆発的な話題化)を狙った体験型メニューの提供は、これからの外食産業におけるスタンダードになるはずです。時代の変化を恐れず、禁煙化という英断を下した同社の姿勢が、長期的なブランド価値の向上に繋がることを期待せずにはいられません。
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