経営の崖っぷちに立たされているジャパンディスプレイ(JDI)に対し、日本の金融界が救いの手を差し伸べる動きを見せています。2019年12月06日、みずほ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行の大手3行が、同社への融資枠を維持する方向で最終調整に入ったことが明らかになりました。
今回の支援の柱となるのは、総額1070億円にものぼる「コミットメントライン」の更新です。これは、あらかじめ銀行と契約を結んでおくことで、企業が必要な時にいつでも決められた限度額まで資金を借り入れることができる仕組みを指します。いわば、企業の急な資金不足を防ぐための「特注のキャッシュカード」のような役割を果たします。
もともとこの融資枠は2017年08月に1年契約で締結されたものでしたが、再建の遅れに伴い延長が繰り返されてきました。直近では2019年08月に更新された契約が2019年12月30日に期限を迎えるため、失効を避けるべく2020年03月末までの再延長を目指しています。なお、この融資には政府系のINCJが債務保証を継続する見込みです。
SNS上では、このニュースに対して「日の丸液晶の意地を見せてほしい」という期待の声がある一方で、「何度も延命しているが根本的な解決になるのか」といった厳しい指摘も散見されます。投資家の間でも、度重なる支援延長に対して慎重な見方が強まっており、同社の将来性を不安視する声が根強く残っているのが現状です。
不透明さを増す再建の道のりと相次ぐ不祥事の影
JDIを取り巻く環境は、まさに「五里霧中」と言わざるを得ません。2019年04月には中国と台湾の企業連合から最大800億円規模の支援を受ける計画を発表しましたが、その後、台湾勢と中国ファンドが相次いで離脱を表明しました。頼みの綱だった再建案は、事実上の白紙撤回という非常に厳しい事態に陥っています。
さらに追い打ちをかけるように、深刻な内部不正も発覚しました。2019年11月、経理担当の元幹部が約5億7800万円を着服していたとして懲戒解雇されたことが公表されたのです。この元幹部は「不適切な会計処理を行っていた」という衝撃的な通知を残しており、その後自ら命を絶ったとみられることが2019年12月に入って判明しました。
編集者としての私の見解ですが、大手銀行が融資を継続することは、あくまで当面の倒産を回避するための「時間稼ぎ」に過ぎないと感じます。粉飾決算の疑いやガバナンスの欠如が露呈した今、新たなスポンサーを見つけ出すのは至難の業でしょう。技術力はあるはずの企業だけに、透明性を確保した抜本的な改革が急務です。
今後は、不適切な会計処理の実態解明が進む中で、いかにして投資家の信頼を回復できるかが鍵となります。2020年03月末という次の期限までに、納得感のある再建計画を提示できなければ、いよいよ「日の丸液晶」の看板は崩れ去る運命にあるのかもしれません。今後の動向から一瞬たりとも目が離せません。
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