アサヒ飲料が、若者から絶大な支持を集めるエナジードリンク「モンスターエナジー」の国内生産体制を劇的に進化させます。2019年12月6日、同社は約30億円を投じて群馬工場に新たな缶飲料の生産ラインを新設すると発表しました。これまで全量を外部委託に頼っていた体制を刷新し、2020年1月からは約半分を自社で製造する計画です。
今回、増設の舞台となるのは群馬県館林市に位置する群馬工場です。ここでは「三ツ矢サイダー」や「カルピスウォーター」といった人気ペットボトル商品が作られてきましたが、新たにモンスターエナジー専用の缶製造ラインが導入されます。これに伴い、「バヤリース」などの缶製品も自社生産へと切り替わり、工場全体の生産能力は従来より4割もアップする見込みです。
ネット上では「ついに魔剤(モンスターの愛称)が自社生産に!」「供給が安定するのは嬉しい」といった喜びの声が広がっています。2014年以降、アサヒ飲料は同工場へ計270億円もの巨額投資を続けてきました。自社で製造から配送まで完結させる比率を高めることで、目まぐるしく変わる消費者のトレンドに、よりスピーディーに対応する狙いが透けて見えます。
激化するエナジードリンク市場での勝ち筋
2012年に日本へ上陸したモンスターエナジーは、瞬く間に市場を席巻しました。そもそもエナジードリンクとは、カフェインやアルギニンなどを配合し、気分をシャキッとさせたい時に飲まれる清涼飲料水のことです。仕事や勉強、ゲームに没頭する若者にとって、今や欠かせない相棒のような存在となっており、その勢いは止まるところを知りません。
調査によれば、2018年のエナジードリンク市場の出荷数量は約1860万ケースに達しました。清涼飲料水全体が伸び悩む中で、このカテゴリーだけは右肩上がりの急成長を遂げています。特にモンスターエナジーは、王者「レッドブル」と並ぶ2大ブランドとして君臨し、音楽イベントやサンプリングを通じた独自のブランド戦略でファンを増やしてきました。
しかし、この「ドル箱市場」を他社が放っておくはずもありません。2019年には日本コカ・コーラが新商品を連発したほか、サントリーや大手スーパーのプライベートブランドも参入し、まさに戦国時代の様相を呈しています。アサヒ飲料が今、巨額投資で自社生産に踏み切るのは、供給の主導権を握り、競合を突き放すための攻めの経営判断だと言えるでしょう。
個人的な見解ですが、今回の自社ライン新設は、単なるコスト削減以上に「ブランドの誇り」を感じさせる決断です。委託から自社生産に切り替えることは、品質管理を徹底し、ファンの期待を裏切らないという覚悟の表れでもあります。2020年1月の稼働後、街中の自販機やコンビニでさらに手軽に、新鮮なモンスターを手に取れる日が待ち遠しいですね。
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