米中貿易摩擦の焦点、15日の対中制裁関税「第4弾」発動か?NYダウ最高値更新への壁と市場の行方

2019年12月06日のニューヨーク株式市場では、ダウ工業株30種平均が大幅に続伸するという力強い動きを見せました。しかし、投資家の皆さんが期待していた11月下旬の過去最高値更新には、あと一歩届かない状況となっています。その背景には、2019年12月15日に控えた対中制裁関税「第4弾」の全面発動という大きな懸念材料が、市場の頭上を暗雲のように覆っているからに他なりません。

SNS上では「雇用統計が良くても関税が怖くて全力で買えない」「トランプ大統領のツイート一つで景色が変わるから恐ろしい」といった、警戒心の強い声が目立っています。米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長も、2019年12月06日のテレビ番組で、15日が極めて重要な節目であると強調しました。合意は近いとされつつも、内容次第では発動も辞さない構えであり、緊迫した駆け引きが続いています。

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米経済の命綱「個人消費」を脅かす追加関税の正体

今回の「第4弾」と呼ばれる制裁関税は、スマートフォンなどの消費財を幅広く対象に含んでいる点が、これまでの措置とは大きく異なります。ここで言う「制裁関税」とは、特定の国からの輸入品に対して上乗せされる高い税金のことで、本来は相手国に打撃を与えるためのものです。しかし、中国以外での代替生産が難しい製品が多いため、結果として米国内の価格上昇を招き、景気の柱である個人消費を冷え込ませるリスクを孕んでいます。

専門家の間では、企業が在庫を確保しているため直ちに影響は出ないものの、2020年04月01日以降の第2四半期には深刻な影を落とすとの予測も浮上しました。実際、ニューヨーク連銀の分析によれば、中国側は価格を下げておらず、関税のコストは米国の企業や消費者が肩代わりしている実態が浮き彫りになっています。物価への転嫁が難しい小売業者にとっては、利益が削られる苦しい展開が予想されるでしょう。

世界経済の減速と製造業に忍び寄る不況の足音

米中対立の余波は、米国内に留まらず世界貿易の停滞という形で広がっています。世界貿易機関(WTO)が示す貿易指数は、好不況の境目である「100」を5四半期連続で割り込むなど、世界的な景気減速はもはや無視できないレベルです。これにはネット上でも「グローバル企業の収益悪化は避けられない」「製造業の冬が来るのではないか」といった、将来を不安視する書き込みが相次いで投稿されています。

実際に、2019年11月の米製造業景況感指数は、4カ月連続で節目となる「50」を下回る結果となりました。これはアンケートに基づき景気の方向性を示す指標ですが、特に「新規受注」の落ち込みが顕著であり、製造現場の冷え込みは深刻です。雇用統計の結果こそ良好でしたが、それはあくまで過去のデータです。米中協議の不透明感が拭えない限り、株式市場が再び力強く上値を追う展開を期待するのは、時期尚早かもしれません。

私個人の見解としては、自由貿易がもたらした繁栄の時代が、国家間のパワーゲームによって揺らいでいる現状に強い危惧を覚えます。経済の論理よりも政治的な思惑が優先される現在の市場環境は、健全とは言い難いでしょう。投資家は目先の数字に一喜一憂するのではなく、この歴史的な対立が世界のサプライチェーンをどう変えていくのか、より長期的な視点で注視していく必要があると考えています。

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