2019年08月01日、アメリカのドナルド・トランプ大統領が自身のSNSを通じて、世界を震撼させる発表を行いました。中国からの輸入品約3000億ドル相当に対し、同年09月01日から10%の追加関税を課すという「第4弾」の制裁表明です。これは実質的に、中国から輸入されるほぼ全ての製品に網をかけることを意味しており、これまでの制裁とは一線を画す規模となっています。
今回の決断が特に衝撃的なのは、つい先日行われた首脳会談の約束が反故にされたからです。2019年06月28日から29日にかけて開催されたG20大阪サミットにおいて、トランプ大統領と習近平国家主席は、追加関税の発動を猶予して協議を継続することに合意していました。それからわずか1カ月という短期間での合意破棄は、国際社会の信義を無視したあまりにも乱暴な振る舞いと言わざるを得ません。
私たちの生活を直撃する「制裁関税」の正体とは?
ここで改めて「制裁関税」について解説しましょう。これは、相手国の不公正な貿易慣行などを是正させる目的で、特定の輸入品に対して通常よりも高い税金を上乗せする措置を指します。今回の「第4弾」が恐ろしいのは、対象にスマートフォンや衣類、玩具といった私たちの生活に密着した消費財が大量に含まれている点です。これまでは主に産業用機械などが中心でしたが、今後は一般市民の財布を直接痛めつけることになります。
SNS上では、この突然の発表に対して「あまりに予測不能で市場が混乱する」「身近な製品の値上がりが怖い」といった不安の声が相次いでいます。また、トランプ大統領がツイッター(現X)というプライベートなツールで重大な外交政策を矢継ぎ早に打ち出す手法に対しても、「世界経済を私物化している」といった批判的な反響が渦巻いています。投資家たちの間でも、不確実性の高まりによる株価の下落を懸念する動きが広がっているようです。
編集者の視点:信頼を欠いた「ディール」に未来はあるのか
筆者の個人的な見解としては、交渉を有利に進めるための揺さぶりだとしても、今回の手法はリスクがあまりに高いと感じます。トランプ氏は自身の交渉術を「ディール(取引)」と呼びますが、外交において最も重要なのは相手との信頼関係です。一度結んだ約束を数週間で覆すようでは、中国側も本腰を入れた譲歩をためらうでしょう。結果として、互いに関税を掛け合う泥沼の「貿易戦争」が長期化する懸念が拭えません。
自由貿易の旗振り役であったはずのアメリカが、自ら保護主義的な壁を高く積み上げている現状は、世界経済全体の成長を鈍化させる毒薬になりかねません。特に日本のような輸出に依存する国にとっても、この二大巨頭の衝突は他人事ではありません。今後、2019年09月01日の発動予定日までに米中がどのような対話を見せるのか、私たちはその推移を冷徹に見極めていく必要があるでしょう。
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