自衛隊の中東派遣、緊急時の「武器使用」を解禁へ。日本船舶の安全を守る最新計画の全貌

中東を航行する日本関連船舶の安全を確保するため、政府は自衛隊派遣に向けた具体的な計画概要を固めました。2019年12月07日、政府は自民・公明の両党に対し、早ければ2019年12月09日にも関連部会でこの案を提示する運びとなっています。緊迫する情勢の中、日本がどのような覚悟で海上の安全に寄与するのか、その詳細が明らかになりつつあります。

今回の計画で最も注目されるのは、万が一日本船舶が襲撃された際の対応です。政府は、自衛隊員が武器を使用して船舶を保護できる「海上警備行動」の発令を盛り込む方針を決定しました。これは、本来の目的である「調査・研究」の枠を超え、有事の際に実力行使を伴う防衛措置へ切り替えることを意味しており、国民の間でも大きな関心を集めています。

保護の対象となるのは、日本船籍だけではありません。日本人が乗船している外国船籍や、日本の経済活動に不可欠な物資を運ぶ船も含まれる方向で調整が進んでいます。SNS上では「エネルギー資源を頼る日本にとって必要な措置だ」という支持の声がある一方で、「現場の隊員の負担やリスクをどこまで想定しているのか」といった懸念の声も目立っています。

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過去の海賊対処をモデルにした実効性のある防衛体制

今回の派遣スキームは、かつてソマリア沖アデン湾で行われた海賊対処の経験をモデルにしています。2009年03月に開始された当時は、まず海上警備行動を発令することで対応を開始しました。今回もその基準を準用し、日本の運航事業者が関わる船舶や、重要な積み荷を運ぶ外国船をしっかりと守り抜くための法的根拠を整える狙いがあると考えられます。

派遣規模については、護衛艦1隻を新たに投入し、さらに現在アデン湾で活動中のP3C哨戒機を活用する体制を整えます。P3C哨戒機とは、広い海域を上空から監視し、不審な船や潜水艦を探知することに特化した航空機です。この「空の目」と、新たに派遣される護衛艦が連携することで、周辺海域の情報を迅速に収集し、不測の事態に備えることになります。

活動エリアは、あえてタンカー攻撃が多発したホルムズ海峡を除外しています。菅義偉官房長官は、オマーン湾やアラビア海北部、バベルマンデブ海峡の東側といった公海を中心に検討していると明かしました。これは、周辺諸国との外交バランスに配慮しつつ、日本の船舶が最も頻繁に航行する要衝をピンポイントでカバーするための、現実的かつ賢明な判断といえるでしょう。

筆者の視点としては、エネルギーの9割近くを中東に依存する日本にとって、この派遣は避けて通れない「責任ある選択」だと感じます。しかし、法的に「調査・研究」名目で派遣し、現場で「海上警備行動」へ切り替える運用には、現場の判断に重い責任を負わせる危うさも拭えません。政府には、2019年12月20日の閣議決定までに、隊員の安全を担保する議論を尽くしてほしいものです。

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