日本の伝統文化である俳句に触れる際、避けては通れない非常に重要な概念が存在します。それは「切れ」と呼ばれる要素であり、俳句が単なる短い文章ではなく、一つの独立した芸術作品として成立するための魂とも言えるでしょう。
2019年12月07日に注目を集めている高山れおな氏の著書『切字と切れ』は、この極めて抽象的で掴みどころのないテーマに真っ向から挑んだ一冊です。1968年生まれの気鋭の俳人である著者が、膨大な資料を読み解き完成させました。
そもそも「切字(きれじ)」とは、「や」「かな」「けり」といった、句の流れを一度断ち切るための特定の言葉を指します。これにより読者の想像力を刺激する余白が生まれ、十七音という限られた世界に無限の広がりが付与されるのです。
本書の驚くべき点は、その歴史的な探究心の深さにあります。鎌倉時代の歌論から説き起こし、現代の俳人たちが「切れ」をどのように解釈しているかに至るまで、気の遠くなるような時間の流れを一気通貫で俯瞰できる構成になっています。
SNS上では、専門家からも「これほどまでに『切れ』を総括した資料は類を見ない」といった驚きの声が上がっています。初心者には少し敷居が高い概念ですが、体系的にまとめられた本書は最高のガイドブックとなるでしょう。
失われゆく「型」の真意を現代に問う労作
私たちが日常で使う言葉とは異なり、俳句の「切れ」は論理的な説明を超えた感性の領域に属しています。著者の高山氏は、歴史的な議論を丹念に辿ることで、先人たちが何を美しいと感じ、何を大切にしてきたかを浮き彫りにしました。
個人的な見解を述べさせていただくなら、現代のスピード感溢れる社会において、あえて言葉を「切る」ことで生まれる静寂や余韻は、非常に贅沢な精神的体験です。本書は単なる学術書ではなく、日本人の美意識を再発見する旅と言えます。
歴史の荒波の中で形を変えながらも、現代まで受け継がれてきた「切れ」の議論を総覧できる本作は、俳句愛好家のみならず、言葉を扱うすべての人に推奨されます。2019年12月07日現在、必読の書として高く評価されています。
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