2019年12月06日、名古屋のビジネス界に大きな注目を集めるニュースが飛び込んできました。政府系金融機関である商工組合中央金庫(商工中金)の名古屋支店が、地元で家具の設計や販売を手掛ける「リアル・スタイル」に対し、1億円の融資枠を設定したと発表したのです。
今回の融資で特筆すべき点は、土地や建物といった不動産ではなく、同社が取り扱う家具やインテリア雑貨そのものを担保とした「動産担保融資(ABL)」という手法が用いられたことでしょう。すでに運転資金として1億円の実行が完了しており、今後の展開に期待が高まります。
動産担保融資とは、企業の在庫や売掛金といった「動く資産」を担保に資金を借りる仕組みを指します。通常、銀行は評価が容易な不動産を好みますが、今回の決定は企業の事業内容や商品の価値を深く理解しようとする、金融機関の新しい姿勢の現れだと言えるのではないでしょうか。
一般的に、動産を担保にする際は鉄鋼などの換金しやすい原材料が選ばれることが多く、嗜好性の強い家具が対象となるのは極めて異例だそうです。商工中金名古屋支店も、再販が難しいとされる家具を担保にする試みは非常に珍しいケースであると、その独自性を強調しています。
家具業界は商品の製造から販売までに時間がかかるため、在庫を抱える期間が長くなり、資金繰りに苦労する場面も少なくありません。今回の柔軟な融資枠の確保は、リアル・スタイルのようなデザイン性の高い企業が、攻めの経営を続けるための強力な追い風となるはずです。
SNS上では「在庫を価値として認めてくれるのは中小企業にとって勇気が出る」「不動産がなくても勝負できる時代」といった、前向きな反応が寄せられています。資産の捉え方が変わることで、日本のものづくりを支える企業たちが、より自由な発想で挑戦できる社会になることを切に願います。
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