【蔦屋書店】旧作DVD借り放題を全店解禁!成城石井の導入拡大で進化する「次世代店舗」の正体

「蔦屋書店」を展開するトップカルチャーが、実店舗の価値を再定義する大胆な攻勢に出ます。2020年1月にも、旧作DVDが定額で借り放題となる「TSUTAYAプレミアム」を全店舗で一挙に開始することを決定しました。これは、単なるレンタルサービスの延長ではなく、生活者が何度も足を運びたくなる「場所」としての魅力を底上げする戦略といえるでしょう。

この新サービスは、月額1,100円からの料金で旧作のDVDやブルーレイを無制限に楽しめるものです。特筆すべきは、返却期限や延長料金という、これまでのレンタルにつきまとっていた「わずらわしさ」が原則として解消される点にあります。SNSでは「返し忘れる不安がないのは助かる」「名作をじっくり見返したい」といった期待の声が既に広がっています。

さらに実店舗での特典に加え、動画配信サービス「TSUTAYA TV」もセットで提供されるのが大きな強みです。約1万タイトルのオンライン視聴が可能となるため、家でも外でもエンタメを独り占めできる仕組みになっています。現在、首都圏の7店舗に留まっているこの仕組みを、2020年1月中に新潟や長野など全68店舗へと一気に拡大する方針です。

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データ予測と「食」の融合で購買体験をアップデート

同社がここまで攻める背景には、レンタル事業の苦境があります。2019年10月期の決算では、レンタルの売上高が前の期から12%も減少しました。一方で、雑貨や文具の販売は好調を維持しており、ライフスタイル提案型の店舗作りが功を奏しています。次期取締役に就任予定の清水大輔氏も、レンタルの一定の需要を確信しつつ、他部門でのカバーを狙っています。

特に注目したいのは、売上の5割を占める書籍部門のDX(デジタルトランスフォーメーション)です。2019年11月1日から本格始動した独自システムは、膨大な販売データを解析して「どのジャンルがいつ売れるか」を予測します。この「売れるピーク」に合わせて棚割りを最適化することで、2020年10月期には書籍売上の1割増という高い目標を掲げています。

また、女性客の心を掴んでいるのが、高級スーパー「成城石井」との提携拡大です。2019年3月末から導入されたワインやナッツなどの食品は、店舗の滞在価値を大きく向上させました。これを受け、2020年10月期中に取扱店を15店舗まで増やす計画です。本を選びながら上質な食も楽しめる、そんな洗練された空間作りがさらに加速することでしょう。

私個人の見解としては、ネット配信が主流の今だからこそ、実店舗に「行く理由」を作るこの戦略は非常に賢明だと感じます。ワークショップなどの体験型イベントも増やす予定とのことで、蔦屋書店は単に物を売る場所から、地域コミュニティの核へと進化しようとしています。最大手フランチャイジーである同社の挑戦は、今後の小売業のモデルケースになるはずです。

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