中央アジアの心臓部とも言えるウズベキスタンから、ミルジヨエフ大統領が待望の初来日を果たしました。2019年12月19日には安倍晋三首相との首脳会談が予定されており、これからの両国のパートナーシップがどのように進化するのか、大きな期待が寄せられています。SNS上でも「サマルカンドへ行きやすくなるのか」「経済協力が進んでほしい」といった前向きな反応が目立ち、中央アジアへの関心が一層高まっているようです。
ウズベキスタンは、かつてソ連崩壊後にカリモフ前大統領が築き上げた、諸外国と一定の距離を置く「孤立主義」の国でした。しかし、2016年にミルジヨエフ氏が就任して以来、その姿勢は劇的な変化を遂げています。国家による経済統制を緩め、民間資本を積極的に導入する改革を進めているのです。これまでの強権的なイメージを払拭し、若手閣僚を登用して挑む「新しい国づくり」の熱気は、私たちにとっても無視できないパワーを感じさせます。
特に注目すべきは、日本人に対する短期ビザ免除の実施でしょう。これにより、青いタイルが美しい「サマルカンド」などのシルクロード遺産が、以前よりもずっと身近な存在になりました。今回の来日に合わせて、両国間では二重課税を防ぐための「租税条約」の署名や金融支援の合意も進められる見通しです。日本企業が現地で活躍しやすい環境が整うことは、ビジネス面でも非常に大きな一歩であると私は確信しています。
地政学的なバランスと日本の果たすべき役割
中央アジアは歴史的にロシアの影響が色濃い地域ですが、現在は中国の巨大経済圏構想「一帯一路(いったいいちろ)」が急速に浸透しています。一帯一路とは、中国から欧州へ至る陸路と海路を繋ぎ、巨大な経済ネットワークを形成する構想です。この強大な中露の勢力圏の中で、特定の国に依存しすぎない「自由で開かれた国際秩序」を根付かせることは、地域の安定、ひいては世界の安全保障にとって極めて重要な意味を持つでしょう。
2019年11月にウズベキスタンの首都タシケントで開催された5カ国首脳会談では、地域間の協力強化が打ち出されました。背景には中露への警戒感も透けて見えますが、こうした結束の動きを日本は外交の好機と捉えるべきです。日本は2004年から「中央アジア+日本」対話という枠組みを通じて、この地との対話を地道に積み重ねてきました。この信頼関係こそが、日本の外交における最大の武器になると私は考えます。
中央アジアはアフガニスタンやイランと国境を接しており、テロ対策やエネルギー安全保障の面でも世界の安定に直結する要衝です。日本には、単なる経済支援に留まらず、民主的な改革が逆戻りしないよう多角的なサポートを継続してほしいと願っています。今回のミルジヨエフ大統領の来日が、シルクロードの地に新たな自由の風を吹き込む素晴らしいきっかけになることを、編集部としても強く期待しています。
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