2019年12月04日から発生している日本電子計算のクラウドサービス障害は、発生から1週間が経過しようとしている2019年12月09日現在も解決の糸口が見えていません。NTTデータの子会社である同社は、当初掲げていた「9日中の復旧」という目標を断念せざるを得ない状況に追い込まれました。
今回のシステムトラブルの影響範囲は極めて広く、全国約50もの自治体において、住民票の発行や税務処理といった基幹業務がストップしています。クラウドサービスとは、自社でサーバーを持たず、インターネット経由でデータやソフトウェアを利用する仕組みのことですが、その利便性が仇となり、広範囲での機能不全を招きました。
SNS上では、窓口を訪れた住民から「手続きができなくて困る」「マイナンバー関連の処理が進まない」といった悲鳴に近い声が次々と投稿されています。特に師走の多忙な時期と重なったことで、自治体職員の疲弊を心配する意見や、大手NTTグループの信頼性を問う厳しい批判も目立っているのが現状でしょう。
想定外の事態に揺れる自治体インフラの脆弱性
日本電子計算は2019年12月09日15時の時点で、依然として復旧の目途が立っていないことを公式に認めました。システムの中核部分で深刻な不具合が生じていると推察されますが、バックアップ体制が十分に機能していなかった可能性も否定できず、IT業界全体に衝撃が走っています。
編集者としての視点から言えば、今回の事件は「クラウド頼み」の危険性を浮き彫りにした警鐘だと感じます。コスト削減や効率化のために集約化を進めることは時代の流れですが、ひとたび障害が起きれば、国民の生活基盤そのものが麻痺してしまうという脆さが、最悪の形で露呈してしまいました。
今後は、単一の業者に依存しない冗長化(システムを二重にして故障に備えること)の徹底や、迅速な情報公開のあり方が厳しく問われることになるはずです。信頼回復のためには、一刻も早い復旧はもちろん、原因の究明と再発防止策の提示が不可欠であり、同社の誠実な対応が待たれます。
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