アメリカの文教地区を代表するスタンフォード大学。そのアメリカンフットボール部で活躍する河田剛氏は、日米の組織論における本質的な差異を鋭く分析しています。日本での会社員生活を経て渡米した同氏は、講演の場でよく「チーム」と「TEAM」の表現を用いて両国の違いを解説されるそうです。外から見れば完璧な円形に見える日本の組織ですが、内部を覗くと個人の顔が見えにくい傾向にあります。それに対してアメリカの組織は、歪な形をしていながらも、一人ひとりの個性が際立っているのが特徴です。
象徴的なエピソードとして、試合に勝利した際のロッカー・ルームでの会話が挙げられます。選手たちは互いに「おめでとう」と声を掛け合いますが、これは日本人の感覚では外部からの祝福に聞こえ、当初は河田氏も違和感を覚えたそうです。しかし、この言葉は「組織が先に存在するのではなく、個々の力が集まって組織が形作られる」という米国流の個人主義の表れでした。勝利という成果は、まず個人の努力に対する報酬であるという考え方が根底にあるのでしょう。
仲間を守るための衝突が育む、米国最強部隊にも共通する強固な絆
個性を尊重しすぎると組織が空中分解するように思えますが、アメリカの現場がバラバラにならない理由はその「仲間意識」にあります。激しい接触を伴うアメフトの練習中には、頻繁に喧嘩が勃発します。しかし、その原因のほとんどは自分のためではなく、不当なプレーを受けた仲間を守るための抗議です。驚くべきことに、入部初日の新人であっても、ベテラン選手たちが一丸となって守り抜く文化が根付いています。エリート集団であっても、根底には泥臭い信頼関係が流れているのです。
この精神は、米海軍特殊部隊「ネイビーシールズ」にも共通しています。かつて同隊に入隊したアメフト部OBは、国旗を背負いながらも、実際には「目の前の仲間の命を守るために戦っている」と語りました。SNS上でもこのエピソードには、「愛国心よりも強い、究極の現場主義に感動した」といった声が多く寄せられています。巨大な国家や組織という概念よりも、隣にいる人間を信じ抜くことこそが、どんな過酷な状況をも打破する最強の原動力になるのでしょう。
日本流の「細やかさ」が武器になる!戦略的な優先順位が生む死角とは
一方で、アメリカ流のマネジメントが常に万能なわけではありません。河田氏が名門大学で信頼を勝ち得た背景には、日本人が得意とする「網羅性」と「丁寧な分析」がありました。合理性を重視するアメリカ人は、優先順位の低いタスクを潔く切り捨てますが、その過程で思わぬ落とし穴が生じることも少なくありません。2019年12月24日現在、河田氏は日米双方の長所を融合させることで、自身の存在価値を確固たるものにしています。
ボランティアからスタートし、現在は正式な支援役を務める河田氏の次なる目標は、制限された10人のフルタイムコーチ枠に入ることです。年俸数億円という夢のある世界でありながら、同僚と競い合う過酷な競争社会でもあります。私自身の意見としては、こうした「個」が輝く環境でこそ、日本特有のきめ細やかなサポート力は最大の武器になると確信しています。異国の地で頂点を目指し続ける河田氏の挑戦は、現代のビジネスパーソンにとっても、組織における「個」の在り方を再考する大きなヒントになるでしょう。
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