かんぽ不正問題の深層を突く!日本郵政公社・生田初代総裁が語る「中途半端な民営化」という足枷

2019年12月26日、日本郵政グループが揺れています。かんぽ生命保険による不適切な販売問題を受け、ついにグループ3社の社長が引責辞任する事態となりました。この深刻なガバナンス不全の正体は何なのでしょうか。日本郵政公社の初代総裁であり、民営化の種を蒔いた生田正治氏(元商船三井社長)が、現在の苦境に対する熱い本音を明かしてくれました。

生田氏は、現在の経営陣を安易に叩くことはしません。しかし、今の日本郵政が置かれた「半官半民」という曖昧な立ち位置には、非常に厳しい視線を送っています。政府がいまだ株式の過半数を握る現状では、独自の経営戦略や新商品開発といった「経営の自由」が制限されています。この縛られた状況で無理に利益を追い求めなければならない矛盾が、今回の歪みを生んだ要因といえるでしょう。

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「創造的破壊」こそが再生への唯一の道

巨大な歴史を持つ郵政組織の変革には、過去の遺産を壊して新しい価値を生む「創造的破壊」が不可欠です。生田氏は総裁時代、コンプライアンス(法令遵守)を徹底させるために、どんな些細な事案も吸い上げる委員会を立ち上げました。しかし、その志は形骸化し、組織の末端まで監視の目が届かなくなっていた可能性が高いのです。現場の声が遮断される硬直化こそ、組織が最も警戒すべき病理です。

人事のあり方についても、生田氏は一石を投じています。かつての官僚的な「キャリア・ノンキャリア」という壁を壊し、民間か官僚出身かを問わず、真に優秀な人材を適材適所で評価する文化の確立を訴えてきました。SNS上でも「古い体質が抜けていない証拠だ」「実力主義の導入が急務」といった声が散見されます。安定を捨てて改革に挑んだ者たちが報われる、公平な土壌作りが必要不可欠です。

失われた10年と逆回転した時計の針

2005年の「郵政選挙」から早15年が経過しようとしています。生田氏は、小泉純一郎首相とともに郵政事業を市場競争力のある形へ進化させようと奔走しました。ところが、政権交代や政治的妥協によって、改革の時計の針は「バックギア」に入れられてしまったと憤ります。民営化法は骨抜きにされ、当初の青写真よりも10年は遅れているという指摘は、非常に重く響く言葉ではないでしょうか。

全国2万4千カ所に及ぶ郵便局網という「ユニバーサルサービス(全国一律の提供)」は大切ですが、形に固執しすぎてはなりません。デジタル化が猛スピードで進む現代において、ITを駆使した効率化なしに未来を描くのは不可能です。編集者の私見としても、郵政は過去の栄光に頼るのではなく、真の民間企業として生まれ変わる勇気を持つべきです。中途半端な介入を断ち切る「完全民営化」の加速こそが、信頼回復への最短距離でしょう。

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