物流維新!トランコムが進める「中ロット混載」がトラック積載率40%の壁を打ち破る

日本の物流網を支えるトラックが、実はその積載能力の半分も発揮できていないという驚きの事実をご存知でしょうか。2019年現在、国土交通省のデータを紐解くと、国内を走る貨物トラックの積載率はわずか4割程度に留まっています。この「もったいない」状況を打破すべく、物流最大手のトランコムが、空きスペースを有効活用する画期的なサービスに力を注いでいます。

特に注目を集めているのが、複数の企業の荷物を一台のトラックに積み込む「中ロット」と呼ばれる小型貨物の混載サービスです。これまでは一社でトラックを貸し切るのが一般的でしたが、復路などの隙間時間に他社の荷物を「相乗り」させることで、運送効率を劇的に引き上げます。SNS上でも「配送料が抑えられるのは助かる」「深刻なドライバー不足の救世主だ」と、荷主側から大きな期待の声が寄せられています。

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人の手とITが織りなす「究極のマッチング」の裏側

2019年11月、名古屋市東区にあるトランコムの情報センターでは、約40名の精鋭スタッフが慌ただしく電話とPCを操作していました。彼らの使命は、全国から集まる膨大な空車情報と荷物情報を照らし合わせ、最適な物流ルートを瞬時に構築することです。ここで言う「マッチング」とは、荷物を運びたい企業と、運送手段を探している荷主を、条件に合わせて結びつける仲介役を指します。

この仕組みの面白い点は、高度なITによる効率化を進める一方で、最終的には「人の目」による判断を重視していることです。例えば、コーヒー豆や生鮮食品など、独特の香りが移りやすい荷物は混載を避けるといった細やかな配慮がなされています。こうした血の通った調整こそが、単なる機械的な計算だけでは成し遂げられない、同社ならではの強みと言えるでしょう。

自社でトラックをほとんど持たない「ノンアセット型」の経営を貫くトランコムは、まさに物流のプラットフォーマーです。2020年3月期の業績予想では、売上高1626億円、純利益50億円と共に過去最高を更新する勢いを見せています。荷主にとっては輸送コストが圧倒的に安くなり、社会全体では排ガス削減や渋滞緩和にもつながるこの試みは、持続可能な未来への大きな一歩です。

現状、主力であるマッチング事業の中で中ロットの割合は1割程度ですが、伸びしろは計り知れません。物流業界の構造そのものを変えようとする恒川穣社長の挑戦は、私たちの生活を支える物流のあり方をアップデートしてくれるはずです。効率化の先にある、無駄のないスマートな物流社会の到来が今から待ち遠しくてなりません。

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