【北海道観光の未来】富士通が小樽・ニセコで挑む「人流データの見える化」実証実験がもたらす革新とは?

冬の絶景が広がる北海道の後志地方にて、最新テクノロジーを駆使した興味深い試みが幕を開けました。大手IT企業の富士通は、2019年12月12日、小樽市やニセコ町の観光協会と共同で、旅行者の動線を把握する実証実験を開始したと発表しています。このプロジェクトは、観光客がどのようなルートで街を巡っているのかを数値化することで、地域の魅力を再発見し、より効果的な観光施策を打ち出すことを目的としています。

今回の実験期間は、2019年12月から2020年03月までを予定しており、冬の観光シーズンをフルにカバーする形となりました。設置場所は非常に戦略的で、小樽・ニセコの各案内所はもちろん、空の玄関口である新千歳空港や、交通の要所であるJR札幌駅など、計40箇所に専用のセンサーが配置されます。これほど広範囲かつ具体的な人流データの取得は、今後の北海道観光を支える重要な基盤になることは間違いありません。

活用される技術は、スマートフォンのWi-Fi機能を活用したものです。ここで使われる「端末固有の識別情報」とは、デバイスごとに割り振られた個別のIDのようなもので、これをセンサーが検知することで、15分単位という非常に細かいスパンで人の動きや滞在時間を記録します。もちろん、個人の名前や電話番号、具体的な通信内容といったプライバシーに関わる情報は一切収集されない仕組みのため、安心して街歩きを楽しめる配慮がなされています。

インターネット上では「自分の歩いた道が観光を良くするデータになるのは面白い」「混雑が可視化されれば、よりスムーズに観光を楽しめるようになりそう」といった、テクノロジーの活用に期待を寄せる声が上がっています。一方で、こうしたデータの「見える化」が、特定スポットへの一極集中を避け、隠れた名所へ人々を導くきっかけになることを望む地元のファンの熱い視線も注がれているようです。

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観光マーケティングの新たなスタンダードへ

富士通が提供するこのソリューションは、すでに名古屋市営地下鉄での混雑緩和に向けた分析などでも実績を上げています。今回、そのノウハウが観光分野に応用されたことは非常に意義深いといえるでしょう。これまでの観光調査はアンケートなど「人の記憶」に頼る部分が多かったのですが、センサーによる客観的なデータの蓄積は、施策の精度を劇的に向上させる可能性を秘めています。

編集者としての私見ですが、こうした「データに基づく観光(エビデンス・ベースド・ツーリズム)」への転換は、オーバーツーリズムの解決や、持続可能な地域運営に不可欠なステップだと確信しています。数値によって旅行者のニーズを正確に捉えれば、無駄のないキャンペーン展開が可能になります。2020年03月の実験終了時にどのような知見が得られるのか、北海道観光の次なる一手に大きな期待がかかります。

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